ムヒタリアン、かつての“恩師”クロップ監督との秘話を明かす「彼に50ユーロを渡したんだ」

インテルに所属するアルメニア代表MFヘンリク・ムヒタリアンが、リヴァプールを率いるユルゲン・クロップ監督との秘話を明かした。20日、イタリア紙『ガゼッタ・デロ・スポルト』がコメントを伝えている。

現在35歳のムヒタリアンはウクライナの名門シャフタールで頭角を表し、2013年夏にドルトムントへ加入した。2015年夏まで続いたクロップ政権では、公式戦87試合の出場で17ゴール17アシストをマークし、2度のDFLスーパーカップ制覇に貢献。持ち前のテクニックと戦術眼を武器に数多くのチャンスを創出し、元日本代表MF香川真司(現:セレッソ大阪)、ドイツ代表MFマルコ・ロイス、元ガボン代表FWピエール・エメリク・オーバメヤン(現:マルセイユ)と共に強力攻撃陣を形成した。

クロップ監督の下で充実の時間を過ごしたムヒタリアンは、現役時代にインテルで活躍した元イタリア代表DFアンドレア・ラノッキア氏のポッドキャストに出演した際に、ドイツ人指揮官との思い出について言及。「クロップは人格者だし、心理学者のようでもある。自分を信じ、自由を与えてくれるんだ。彼のために人生を捧げたいと思ったよ」と前置きしつつ、加入当初のエピソードを次のように明かした。

「ある日、僕たちがトレーニングをしていると、クロップが僕に言ったんだ。『もし7ゴール決めることができれば、君に50ユーロ(約8200円)を渡すよ。できなければ、君が私に渡すんだ』とね。僕はそれを達成できず、彼に50ユーロを渡したんだ。その2日後、僕が2ゴールを決めてフランクフルトとの試合に勝利した。試合後にクロップ監督が僕のところへやって来てハグしてくれた。50ユーロを返して欲しいと頼んだら、返してくれたよ」

ドルトムントで活躍した後、ムヒタリアンはマンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、ローマを経て、2022年夏にインテルへ加入。在籍2年目の今シーズンはここまで公式戦39試合の出場で2ゴール10アシストを記録するなど、セリエA首位を快走するチームを支えている。今後のキャリアについて問われると、「インテルとの契約は2年残っている。それを全うできるか見てみよう。僕は常にプレーできる限りプレーしなければならないと言っている。辞めた時に後悔したくはないからね」と返答した。

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