【高松宮記念】5年ぶりのルメール参戦に“ニヤリ”の陣営とは 「世間は不可解なローテと思うけど……」

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24日、中京競馬場で第54回高松宮記念(GI、中京芝1200m)が行われる。例年はドバイミーティングと重なることでリーディング上位騎手が不在の年が多いが、開催日程がずれ込んだ今年はC.ルメールや川田将雅らが参戦。人馬ともにトップランカーが揃った一戦となった。

そんななか、一見すると“不可解”に思えるローテーションで臨む馬がいる。7歳にして初のスプリント戦を迎えるウインカーネリアン(牡7、美浦・鹿戸雄一厩舎)だ。

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■国内のレベルはマイル>スプリント

関屋記念、東京新聞杯と芝1600mで良績を積み重ねてきたウインカーネリアン。昨年3月のドバイ遠征以降は不振にあえいでいたが、ブリンカー着用で臨んだ前走東京新聞杯は2着と復活をアピール。改めて底力を示した。

「昨年の安田記念は積極果敢なレース運びで勝ち馬と0秒7差。600m通過34秒2、1000m通過57秒6のラップを刻んで大負けしなかったのだから立派でしょう。ソングライン、セリフォス、シュネルマイスター、ナミュールと国内マイル路線の層は近年稀にみるハイレベル。数年前のマイルGIなら十分馬券内の可能性はあったと思いますよ」(競馬ライター)

前述の馬たちはGI馬であり、それぞれ海外に活躍の場を求めた実力の持ち主。ウインカーネリアンにしてみれば生まれた時代が悪かった、という見方も大げさではないのかもしれない。

■トウシンマカオ騎乗のC.ルメールがキーマンに

とはいえ並み居るスプリンター相手に迎える初の芝1200m戦。そう簡単にはいかないと考えるのが常識的だが……。

「いやいや、甘くみてもらっては困りますよ。確かにレコードが出る高速馬場では厳しいでしょうが、週末の中京競馬場は雨予報。時計がかかる馬場では、スプリント適性より長めの距離をこなせるスタミナが要求されます。2014年の勝ち馬コパノリチャード、2020年に1位入線(4着降着)のクリノガウディーは1200m未経験。道悪想定のレースに加えて、スプリント戦線で鳴らした母コスモクリスタルの血統から距離短縮はむしろプラスに働くでしょう」(競馬ライター)

週末の天候想定で浮上した思わぬ穴馬・ウインカーネリアン。さらに陣営の心を躍らせるのは、意外にもトウシンマカオ(牡5、美浦・高柳瑞樹厩舎)にC.ルメールが騎乗することだという。

「今年の高松宮記念は絶対王者が不在。こうしたレースでは騎手がどの馬をマークするか迷うものですが、ルメールが参戦するとなれば彼をマークする展開になることが濃厚です。トウシンマカオは道中で脚を溜めて終いを活かすスタイル。後方への意識が各騎手に生まれるとなれば、前に行く可能性が高いウインカーネリアンにとっておあつらえ向きの状況と言えます」(競馬ライター)

■弥生賞の3連単30万馬券の再現を……

この流れはまさに先日行われた弥生賞である。当時の1番人気はC.ルメール騎乗のトロヴァトーレ。中団を進んだ同馬に各騎手が気を配るなか、6番人気で制したコスモキュランダは4角2番手、3着シリウスコルトは逃げ戦法で9番人気3着。マークすべきは後ろ、との意識が働いた結果、3連単30万馬券が出現したわけだ。

ウインカーネリアンの道悪適性について触れると、2020年の皐月賞は開催最終週の稍重馬場というコンディション。コントレイルが大外から突き抜けた一戦で4角2番手から4着と粘り腰を発揮している。ファストフォースやトゥラヴェスーラ、キルロードなど7歳以上の古豪による激走が珍しくない高松宮記念。この馬が培った経験値と展開利は無視できない。

決戦まであと3日。ウインカーネリアンの存在から目が離せなくなってきた。

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(SPREAD編集部)

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