フィッシング対策、AI早期導入 真偽判断に、警察庁検討会

 金融機関などの正規サイトを模した偽サイトを通じて、IDやパスワードを盗む「フィッシング」による被害が急増していることを受け、対策を議論してきた警察庁の有識者検討会は21日、サイトの真偽判断に生成人工知能(AI)を活用するべきだとの報告書をまとめた。業務の効率化と対応の迅速化が期待でき、同庁は早期導入を目指す。

 警察庁などによると、2023年はインターネットバンキングによる不正送金の被害額が87億3千万円と過去最悪で、クレジットカードの不正利用による被害額も悪化した。フィッシング対策協議会によると、23年に報告されたフィッシングの件数は約119万5千件。19年の約21倍で、不正送金などの被害増の一因とみられる。

 警察庁は現在、偽物の疑いがあるサイトの情報を集約し、職員が真偽を判断している。23年は偽物など不正サイトの情報計49万件をウイルス対策ソフト開発会社などに提供。ソフト利用者がアクセスすると警告を表示するなどして活用された。

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