中国人民銀、預金準備率になお引き下げ余地=副総裁

[北京 21日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)の宣昌能副総裁は21日、預金準備率を引き下げる余地がなおあり、中国の金融政策に十分な余地があるとの認識を示した。

その上で、人民銀が効果的な投資を促進し、過剰生産能力の解消に貢献し、人民元の基本的安定を維持する方針と記者会見で語った。

副総裁は「中国の金融政策には十分な余地があり、豊富な政策手段の蓄えがある。預金準備率を引き下げる余地はなおある」と発言。

預金コスト低下と主要国の金融政策のシフトが中国の金利政策運営の助けになるだろうと述べた。

預金準備率は現在約7%。副総裁は、預金準備率の引き下げは経済に流動性を供給する重要な手段であり、中銀のバランスシートが拡大する可能性があると述べた。バランスシートは現在45兆元(6兆2500億ドル)前後。

「預金準備率が引き下げられれば、中銀のバランスシートがさらに拡大する」と発言。バランスシートに言及するのは異例だ。

家計所得と消費の伸びを下支えし、消費者の合理的な信用需要に対応するとも表明。生産能力が過剰な産業の「やみくもな拡大」は抑制すると述べた。

「内需拡大に注力し、需給の均衡を促し、経済の好循環を促す。こうしたもろもろの措置は物価水準の緩やかな回復を支える上で重要な役割を果たすだろう」とも指摘した。

人民銀行は1月に過去2年で最大となる50ベーシスポイント(bp)の預金準備利率引き下げを発表。アナリストは年内に少なくともあと1回の引き下げがあるのではないかと予想している。

会見に同席した廖岷財政次官は、今年の経済成長目標を達成するため財政政策で必要な支援を行うと表明。政府債務は「適正な水準だ」と述べた。

国家発展改革委員会の劉蘇社副主任は同じ会見で、中央・地方政府が投資向けに調達する債務は今年6兆元を上回ると指摘。防災インフラ向けに昨年発行した1兆元の国債の大半は今年利用されるとし、その他にも超長期特別国債1兆元、中央予算基金7000億元、地方政府特別債3兆9000億元があると述べた。

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