元ハースF1代表がジェームス・コートニーのサイドシートを体験「年齢を感じたよ(笑)」/RSC

 すでに2月末にも2024年の開幕戦『スリフティ・バサースト500』を終えているオーストラリア大陸最高峰のRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップは、今週末に迫ったF1オーストラリアGPとの併催イベントである第2戦『メルボルン・スーパースプリント』を前に、恒例のアクティヴィティ・ウイークに突入。

 昨季2023年までハースF1の代表を務めたギュンター・シュタイナーが、最新のGen3規定フォード・マスタング・スーパーカーに同乗し、2010年王者ジェームス・コートニーのドライブで“ホットラップ”を体験した。

 グランプリ前週から現地で開催されているアデレード・モータースポーツ・フェスティバルのスペシャルゲストとして招かれたシュタイナーは、今季よりコートニーが移籍加入したブランシャード・レーシング・チーム(BRT)がザ・ベンドでシェイクダウンを実施したばかりの新シャシーに搭乗。新しいフォード・パフォーマンスを象徴するダークブルーをまとったチーム3台目のTR-27シャシーは、アデレード市街地コースの『ビクトリア・パーク・ループ』と呼ばれるショート版を疾走した。

 シケインの先でターン11にカットする短い距離ながら、シリーズ公式インタビューに応じたイタリア系アメリカ人の元F1チーム代表は、元“配下”のベテランドライバーが見せた低速コーナーでのドライビングや、複数回のバーンナウトを経験し、すべてに「感銘を受けた」と感想を述べた。

「かなり良い。私は(コートニーを)かなり良いと評価したい」と笑顔で振り返ったシュタイナーだが、2000年代初頭のジャガー・レーシングでマネージングディレクターを務めた際には、当時テストドライバーを担当していたコートニーと働いた経験も有する。

「良い経験だったね。ご存知のとおり、これらは本当に速いクルマであり、ただ屋根が付いているだけで、彼らが真に速いドライバーであることを私たちは知っている。とてもクールだったし、私にとっても、こうしたことが実現できる可能性があるのは素晴らしいことさ」と続けたシュタイナー。

ルーキーのアーロン・ラブ(右)と共闘し、今季より2台体制に拡充したBRTを牽引するジェームス・コートニー
シュタイナーは現地で開催されている“Adelaide Motorsport Festival(アデレード・モータースポーツ・フェスティバル)”の特別ゲストとして招かれた

■マスタング・スーパーカーの速さを身を以て知ったシュタイナー

 そんなコートニーは、2014年と2015年に『アデレート500』で勝利を飾っており、2016年には週末3ヒートのうちレース2を制覇するなど、このサーキットを誰よりもよく知っている。今回、ループサーキットの距離は短かったにもかかわらず、コートニーはそれでもシュタイナーの心拍数を上げることに成功した。

「あなたは自分の年齢を感じているかもしれないが、私自身も自分の年齢を感じたよ(笑)。ご存知のように走行中の負荷はもちろん、そこ(車内)に入るのはそれほど簡単ではない、かなり厳しいね」と冗談混じりに応じた58歳。

「でもまあ、それほど難しいことではない。すべてのギアをオンにし、さまざまなものを準備してスロットルを踏むのは、レーシングカーの常套手段だ」

「明らかに室内は寒くないし、当然エアコンもない。今も汗を掻いているさ! でもまだできるよ、だから私はそんなに年をとってない、ということだね」

 かつての恩師をサイドシートに伴い、オーストラリア大陸で“再会”を果たしたコートニーだが、2002年にイタリア・モンツァでのテスト中に大クラッシュを喫して療養を強いられると、F1を離れた2003年には全日本F3選手権でチャンピオンを獲得。全日本GT選手権、そして初年度のスーパーGTでTOM’Sの80型トヨタ・スープラをドライブしてタイトルを争ったのち、2006年よりスーパーカーでの本格的なキャリアを始動した。

 すでにグリッド最年長のベテランとなった2010年の豪州王者に関し、まだ「彼の腕前に衰えはないか」と問われたシュタイナーは「ああ、そう思うね」と応じた。

「レーストラックでもっともエキサイティングな部分にツイスティなセクションがあるが、そこでこれらのクルマがどれほど速く走っているかを見て、感じることができた」と、この週末はF1のコメンタリーも担当するシュタイナー。

 そのF1第3戦オーストラリアGPと3月21~24日のアルバートパークで併催されるRSC第2戦『メルボルン・スーパースプリント』は、今季初導入のダンロップ製ソフトコンパウンドによる“ピットストップなし、20周”のスーパースプリント戦が予定されている。

新しいFord Performance(フォード・パフォーマンス)を象徴するダークブルーをまとったチーム3台目のTR-27シャシー
まだ「彼の腕前に衰えはないか」と問われたシュタイナーは「ああ、そう思うね」と応じた

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