アプガ(プロレス)[ライブレポート]歌にダンスにプロレスに、パワーみなぎるステージを展開したワンマンライブ「みんなの笑顔をたくさん見れて嬉しいです!」

アプガ(プロレス)[ライブレポート]歌にダンスにプロレスに、パワーみなぎるステージを展開したワンマンライブ「みんなの笑顔をたくさん見れて嬉しいです!」

アップアップガールズ(プロレス)(以下、アプガ(プロレス))が、3月20日(水)に東京・新宿FACEでワンマンライブ<アップアップガールズ(プロレス)バロバロ~It's a Battle SHOW>を開催した。

アイドルとプロレスの両立をテーマに掲げ活動するアプガ(プロレス)。メンバーは、東京女子プロレスに所属し試合を行ない、歌とダンスに磨きをかけることも欠かさない日々を送っている。昨年6月にグループに加入したウタが、今年3月3日に高見汐珠としてプロレスデビューを果たすなどアプガ(プロレス)はさらに進化中。今回のワンマンは、音楽ライブだけではなくプロレスの試合も行なうアプガ(プロレス)らしさ全開のスタイルで実施されたライブでは、新曲「Road to the ネクステージ」を初披露するなど、パワーみなぎるステージをくり広げた(乃蒼ヒカリは欠席)。

本記事では、オフィシャルレポートをお届けする。

オープニングアクトには、姉妹グループのアップアップガールズ(仮)(以下、アプガ(仮))が登場。今年1月から、古谷柚里花、鈴木芽生菜、小山星流(ライブは欠席)、青柳佑芽、住田悠華の新体制で活動するアプガ(仮)は、「全力!Pump up!!」と「アッパーカット!」という筋肉と打撃要素の強いアゲ曲で会場を盛り上げた。アプガ(仮)は、結成記念日の5月3日にGOTANDA G4でワンマンライブ<アップアップガールズ(仮)13th Anniversary LIVE〜あいどる道中Be Dash!!〜>を開催。彼女たちは、プロレスにも負けない熱いパフォーマンスを見せることを観客にしっかりと伝えた。

大勢の観客のボルテージが高まる中、会場に「OVERTURE(プロレス)」が流れ、らく、渡辺未詩、鈴木志乃、高見汐珠がアイドル衣装でステージに登場。アプガ(プロレス)のライブは、限界突破で戦い続ける想いを歌う「バロバロ~It's a Battle!~」からスタート。拳を突き上げ勢い全開で会場をブチ上げる彼女たちは、輝く希望を目指す「SHINING MARK」を会場中央にあるリングで歌唱した。

観客に自己紹介と挨拶をしたアプガ(プロレス)は、「アッパーチョップ!」から「Rxck it Nxw!」と激しい攻めのサウンドで勝負する。一転して、ヤマモトショウが手がけた「ベイビーフェイス」ではラブリーな姿を見せ観客を楽しませた。

オリジナルメンバーによる歌唱コーナーでは、らくと渡辺がアプガ(仮)の「君という仮説」を披露。この曲を選んだ渡辺は、“アプガ(仮)姉さん(アプガ(仮)の旧メンバー)の曲で、夢に向かって歩く道のりを歌う歌詞がとてもよくて大好きなんです。いつか歌いたいなとずっと思ってたんですが、今が1番私たちにぴったりじゃないかなと思うし、すごく特別な想いがあって選びました"と選曲の理由を語った。歌詞に自分たちの約6年半の歩みを重ねて歌う初期メンバーの2人。渡辺は涙を浮かべ声を震わせながら歌う姿も見せた。だが、しんみりとした空気は一瞬で構わないと言わんばかり、渡辺は「マジマッスル」で筋肉の正義を歌い、らくは「Maxときどき!ジェットコースター」でポップならくワールドを展開した。

ここからはプロレスの試合のコーナーに突入。実況席にはアプガ(仮)の鈴木芽生菜と青柳佑芽がゲスト解説として加わり進行していく。アプガ(プロレス)の4人は試合のコスチュームにチェンジ。まずは、高見が可愛さたっぷりの「青春チューリップ」、鈴木がロックナンバー「ワタシノセオリー」を歌ってリングイン。続けて東京女子プロレスの選手も入場し、第1試合の鈴木志乃、高見汐珠 vs HIMAWARI、風城ハルのタッグマッチが開始。鈴木にとってHIMAWARIと風城ハルはプロレスデビューの同期。高見はこの試合が4戦目という新人中の新人。しかもアプガ(プロレス)の2人は、自身のフォール勝ちが無いという状態。この主催ライブで、何としてでも勝ちをつかみたいという気持ちでいっぱいだ。だが、鈴木と高見はドロップキックや切り返し技などいい動きは見せたものの、最後はHIMAWARIの逆片エビ固めで高見がタップアウト。試合はHIMAWARI、風城ハル組が勝利となった。

アプガ(プロレス)の2人は肩を寄せ合い座りながらマイクを握る。鈴木が“私たちは、アプガ(プロレス)の先輩たちの背中を追って入ってきた2人です。先輩たちのように強くなりたいけど、まだまだ強くなれません(泣)。だけど、私たちは一生懸命頑張っていくので、まだまだ応援よろしくお願いします!”と涙を流しながら語ると観客から“頑張れー”の声援が飛んだ。高見は“アプガ(プロレス)の単独ライブで、志乃さんと組ませていただいて、私も志乃さんも初勝利がかかっていたのに、私がギブしてしまってごめんなさい!”と号泣しながら反省の声を上げる。続けて鈴木が“私もごめんね。でも大丈夫。私たち2人でもっともっと頑張っていきます!”と闘志を見せ、会場は大きな拍手に包まれた。

続いて、らくが「マシュマロカカオステーション」を歌唱し、タッグパートナーの原宿ぽむとともにリングイン。第2試合は、らく、原宿ぽむ vs 桐生真弥、凍雅というカードだ。試合は冒頭から場外乱闘となり、原宿はらくののぼりを凶器にして大暴れという予想外の展開を見せる。さらにステージ上で、らくと原宿は桐生と凍雅におやすみエクスプレスを決行。らくは子守唄を歌って対戦相手の2人をより深い眠りに誘う。リングアウト勝ちを狙うも、その待ち時間に再び「マシュマロカカオステーション」を歌おうとしたところ、桐生と凍雅が目覚めてらくと原宿を急襲。パワーで押されるらくと原宿だが、ぽっぽーチョップ!!、Maxとき(クロスチョップ)、大声などで応戦。最後はらくが凍雅にスーパービュー踊り子(変形河津落とし)を決めて勝者となった。

らくは“勝ちましたね〜。最初のあっち(ステージ上)で勝ったと思ったんだけどね〜”とほのぼのトーク。続けて“いつも2人で東京女子プロレスでよく組んでるので、ぽむがアプガ(プロレス)のイベントに来てくれるって聞いてやった〜!ってなりました。それで勝てたからよかったです”と喜びを露わにする。さらに“でも私のグッズの旗、あれ、くじでお客さんにプレゼントするやつだったみたい。(試合で使ったけど)それでもいい人はくじ買ってください!”と盟友に釘を刺しつつ物販の宣伝も忘れなかった。

第3試合は、渡辺が「チョコっとラブ ME ドゥー」を歌いパートナーの宮本もかと入場し、渡辺未詩、宮本もかvs中島翔子、上原わかなの一戦が行なわれた。両チームのパワーとスピードが交差する一進一退の攻防に会場もヒートアップ。中島のハイスピード場外トペや、渡辺の代名詞的な高速ジャイアントスイングなどダイナミックな技の応酬が繰り広げられる。白熱の一戦は、渡辺が上原をカナディアンバックブリーカーで締め上げ豪快に勝利を収めた。

3月31日(日)に両国国技館で開催される東京女子プロレスのビッグマッチ<GRAND PRINCESS '24>で、プリンセス・オブ・プリンセス王者・山下実優にメインイベントで挑む渡辺は“勝ちましたー! 私にとっては両国前最後の試合になるので、絶対に負けられなかったんです。そして、またこうやって去年に続いて単独ライブで試合ができて嬉しかったんです!”“今回も無事に単独ライブでの試合が終えられて、こういう場ができてほんとに幸せです! ありがとうございました!”とタイトルマッチの勝利に拍車をかける喜びの声を上げた。

そして、戦い終わってノーサイドとなった全選手とオープニングアクトのアプガ(仮)がステージとリングに集結。アプガ(プロレス)のリングありの単独ライブ恒例となっている全員総出の「アッパーキック!」がくり広げられた。

熱気あふれる会場は、再びアプガ(プロレス)のライブに戻る。メンバーたちは、“アプガボンバイエ!”が連呼される「リングの上にも三年 ~All Along The Way~」、勝ちにこだわる想いを歌う「負けたくない」で観客の熱量をさらに上げた。

ライブもいよいよ終盤戦となったタイミングで、アプガ(プロレス)は新曲「Road to the ネクステージ」を初披露する。「Road to the ネクステージ」は、仲間とともに諦めずに次へのステージを目指していこうという思いが詰まったアップチューン。観客も「オイ!オイ!」の声援を上げて熱く盛り上がった。

そして、ライブ本編のラストナンバーは「SEED」。もっと強くなっていきたいという気持ちを爽快に歌い上げ、会場を高揚感に溢れさせてフィニッシュ。

しかし、熱々の観客から間髪入れずのアンコールが巻き起こる。颯爽とステージに戻ってきたアプガ(プロレス)は、ライブの感想を語ってく。

高見は“私は去年の6月に、ここ新宿FACEでお披露目させていただきました。今日は、その時よりも成長した姿を見せられるように頑張りました。これからもっともっと成長できるように頑張ります!”と想い出の地で単独ライブができた喜びを口にした。

鈴木は“こんなに素敵な景色をありがとうございます。私はアプガ(プロレス)に、みなさんに必要となれていますか? アプガ(プロレス)がもっと好きになってもらえましたか? こんなに素敵な空間をみなさんに作っていただいたので、丸ごとぎゅっと抱きしめて前に進んでいこうと思います!”とさらに前を向いて行く想いを語った。

らくは“アイドルデビューして7年近くになるんですけど、オーディションの時は先が見えない真っ暗な状態で、初期メンバーで切り開いていかなきゃいけない状態でした。(事務所社長の)山田さんが、どういうものを想像して私たちのグループを作ったのかすらわからない状態だったんです。でもこうして、ステージとリングがある姿を見て、山田さんはアイドルもプロレスも1つの会場で楽しめるものを作りたかったのかなって、最近ちょっと思えるようになってきたんです。多分、想像ではもっと大きい会場を目指してると思うんです。なので、私たちはもっとキャパを広げられるようにがんばります。みんなの笑顔をたくさん見れて嬉しいです! 特典会でも笑顔を見せてください!”とグループの存在意義の理解と宣伝を語った。

渡辺は“私も最近7年くらい前のことを思い出すことが多いんです。このグループ大丈夫かな? 何を目指すのかな? ムキムキになる前に辞めたいなって言ってたんです(笑)。正直、アイドルもプロレスもどっちもやるって損しかないんです。当時、いろいろ厳しい言葉とかももらっていました。そんな中、ここ新宿FACEで山下さんとシングルマッチをしました。ホントにその時までは、こんな気持ちで試合してて大丈夫なのかな? すべてに申し訳ないなって気持ちがあったんです。でも戦ってボコボコにされた直後にここで言った言葉が、「どちらもやってるっていうのは、“二兎を追う者、一兎をも得ず”みたいに、どっちも全力でやってると思われないかもしれません。でも、私たちはどっちも全力でやってます! 全力でやってるって言葉にウソはないです!」って言ったんです。その想いが、やっと6年越しに、どっちも全力でやってるっていうのをホントにできてるなって今日の単独ライブですごい思いました。個人的には両国国技館も控えた中で、正直、前哨戦、新曲の振り入れ、会見、ゲネ、当日ってすごい日々だったんですけど(笑)、こうして最高の単独ライブができました。気持ちの面でも強くなれたし、このスケジュールの運命でよかったってホントに思えるんです。この空間にいられて、もっともっとアプガ(プロレス)として頑張ろうと思いました。なのでぜひ、これからもアプガ(プロレス)の応援よろしくお願いします!”と、これまでの日々を振り返り、今以上に大きくなっていきたいという思いを口にした。

メンバーの熱い言葉に、会場は大きな拍手と歓声に包まれる。そしてアンコールで歌われたのはアプガ(プロレス)のデビュー曲「アッパーキック!」。2017年8月の結成から一緒に歩み続けてきた楽曲で、メンバーと観客が一体となって盛り上がる。その光景はもはや感動のレベルに到達していた。エモく楽しくパワーいっぱいのアプガ(プロレス)のワンマンライブは、まさに大団円で締めくくられた。

今年の8月に7周年を迎えるアプガ(プロレス)。荒波を乗り越え前進してきた彼女たちの強さは間違いなくホンモノ。3月31日の東京女子プロレス・両国国技館大会<GRAND PRINCESS '24>でのアプガ(プロレス)メンバーの活躍は必見だ。そして、さらなる進化を遂げていくアプガ(プロレス)にこれからもぜひ注目してほしい。

<アップアップガールズ(プロレス)バロバロ~It's a Battle SHOW>新宿FACE(2024年3月20日)

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