スイス金融当局がUBSの調査を強化、今年は健全性審査2回

Noele Illien

[ベルン 20日 ロイター] - スイス連邦金融市場監督機構(FINMA)は20日、同国の大手銀行UBSに対して年内に40回の立ち入り調査と2回のストレステスト(健全性審査)を実施する計画を発表した。昨年のUBSによる同業クレディ・スイスの買収で「つぶすには大き過ぎる」銀行を巡る懸念が高まったことを受けた措置。

FINMAの銀行部門責任者、トーマス・ヒルシ氏によると、立ち入り調査はUBSの国内外拠点を対象とするが、大半は国内拠点に対して行う。健全性審査は上半期と下半期に1回ずつ実施する。

FINMAはこれまで、経済情勢の大きな変動を想定した金融機関の強靭性を検証するための調査を実施してきた。対象には発生し得る損失の分析や、住宅融資ポートフォリオ、金利リスクの調査が含まれている。

FINMAはUBSへの調査について、経営の安定性を含めてクレディ・スイス統合に伴うリスクに重点を置くと説明した。

同機構の最高責任者、マーレーン・アムスタッド氏は記者会見で、他のシステム的に重要な銀行と同様、UBSは流動性要件が大きく引き上げられるとの見通しを示した。

FINMAはまた、統合後のUBSの資本・流動性計画を重点的に調べるとともに、調査では緊急事態への対応・復旧計画が極めて重要になると付け加えた。

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