違法賭博でドジャース”即刻解雇”の水原一平通訳。賭けはサッカー、NBA、NFL、大学フットボールも「100%野球に賭けたことない」と米報道

まさに青天の霹靂といえる衝撃的な事件が起きた。

現地3月20日、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平の通訳を務める水原一平氏が違法賭博と窃盗の疑惑を受けて、球団から解雇通告された。

日本列島を騒然とさせる一報を打ったのは大手大衆紙『Los Angels Times』だった。同紙によると、告発したのは大谷の代理人グループで水原氏は違法なブックメーカーに賭けるために大谷の資金を着服する、大規模な窃盗に手を染めたようだ。被害額は少なくとも450万ドル(約6億8000万円)にのぼるとも報じられている。

同じく米スポーツ専門チャンネル『ESPN』も水原通訳のドジャース解雇を速報で伝えている。水原通訳は違法ブックメーカーとの関係疑惑に関し、『Los Angels Times』と同局の報道を受け、水曜日にチームから即刻解雇されたという。奇しくも、大谷が韓国・ソウルでの開幕戦でドジャース・デビューを果たし、初安打初打点をマークしてチームの逆転勝利に大きく貢献した記念すべき日だった。

ドジャースが本拠地に置くカリフォルニア州では、スポーツ賭博は違法とされている。大谷の弁護士が所属するバーク・ブレトラー法律事務所は同日の声明で、「最近のメディアの取材に応じる過程で、ショウヘイが大規模な窃盗の被害者であることを発見したので、この問題を当局に引き渡すことにした」との声明を発表しており、水原氏が違法とみられるブックメーカーに賭けるため数百万ドルを着服したとして、疑惑の目を向けている。
他の米メディアも、スーパースターをサポートし続けた相棒の解雇を一斉にリリースした。米放送局『Fox Sports』は「ドジャースは、ショウヘイ・オオタニの弁護団がイッペイ・ミズハラを大規模な窃盗容疑で告発した後、同通訳を解雇した」と速報で配信した。

記事によると、ドジャースは声明で「メディアの報道は承知しており、情報を収集している」と述べたあと、「チームは大谷の通訳であるイッペイ・ミズハラが解雇されたことを確認している」と認めており、「現時点で、それ以上のコメントはない」と詳細を避けた。

メジャーリーグ(MLB)の規則では、選手や球団職員が合法的にでも野球に賭けることを禁じており、違法なブックメーカーや海外のブックメーカーで他のスポーツに賭けることも禁止されている。水原氏は19日に『ESPN』のインタビューに対し、「賭けはサッカー、NBA、NFL、大学フットボールと多岐にわたった」と語っており、「ただし、野球に賭けたことはありません。100%です」と野球賭博を否定。解雇された20日に、水原氏にコメントを求めたが、応じることはしなかった。

勝利を渇望し、慣れ親しんだロサンゼルス・エンジェルスから10年総額7億ドル(約1015億円)の巨額契約を結び、新天地に移籍した大谷。ドジャースでの2024年シーズンは、偉才も予想できない波乱のスタートとなってしまった。

構成●THE DIGEST編集部

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