パワハラで男性空将を停職4日 部下に指導3時間、精神的苦痛

記者会見する航空自衛隊トップの内倉浩昭航空幕僚長=21日午後、防衛省

 航空自衛隊は21日、部下に長時間の指導を繰り返して精神的苦痛を与えるパワハラをしたとして、50代の男性空将を停職4日の懲戒処分にした。空将は自衛官の階級としては最も高く、パワハラでの懲戒処分は初めて。指導が3時間近くに及ぶこともあったとしている。

 防衛省関係者によると、処分されたのは空自補給本部長の阿部睦晴氏(58)で、28日付で退職する人事が決まっている。現役の空将は、空自以外の別の機関に所属となっている人を含め計18人。21日に記者会見した空自トップの内倉浩昭航空幕僚長は、個人が特定される恐れがあるとして氏名や詳しい所属を明らかにしなかった。

 内倉氏は会見で「空将は指揮官として模範となるべき存在。ハラスメントは国民の信頼を損ね自衛隊の精強性を揺るがすもので許されず、大変重く受け止めている」と陳謝。自身の管理責任については「指導不足には当たらない」と否定した。

 空自によると、昨年8月以降、40~50分立たせたまま指導したり、一つの業務について20回以上指導し続けたこともあった。

防衛省=東京・市谷

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