中国外相、「オーカス」に反対のキーティング元豪首相と面会

Kirsty Needham Liz Lee

[シドニー 21日 ロイター] - 中国の王毅外相は21日、オーストラリアのポール・キーティング元首相と面会し、米国の同盟国である豪州が独立した外交政策を持つことを望んでいると強調した。中国外務省が発表した。

与党・労働党の党員で1991─96年に首相を務めたキーティング氏は、過去に豪情報機関を攻撃したほか、米英が原子力潜水艦建造でオーストラリアを支援する安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」に反対しており、中国側による今回の面会要請は豪州内で政治的な論争を引き起こしていた。

キーティング氏は同日午前、在シドニー中国領事館で王氏と会った後、「世界の地政学的なバランス・影響について大局的な話し合い」を持ったと明らかにした。

一方、中国外務省の発表文によると、王氏はキーティング氏の中豪関係への長期的な関心に謝意を示し、「オーストラリアは米国の同盟国であり、中国のパートナーであり、主権国家だ。豪側が同国自体の根本的な利益に基づき、独立自主の政策を決めることを歓迎する」と述べた。

また、キーティング氏は王氏に対し「(中国の経済発展は)他国に脅威を与えるものではない」と語ったという。

キーティング氏はロイターに宛てた電子メールの中で、王氏が中国の持続的な経済成長能力について説明したと明かしたほか、「王外相は両国間の適切な均衡を取り戻すための政府の取り組みに勇気付けられており、2国間の困難を過去のものとすることに非常に前向きだった」と付け加えた。

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