ゲンジホタル地帯の境で別々の種に 発光周期の違いに注目 「ほくぼうホタル学」/岡山・真庭市 

第9回「ほくぼうホタル学」(北房ホタル保存会主催)が20日、岡山県真庭市の北房文化センターで開かれ、市民ら約10人が最近の研究で分かってきた事実に興味深く耳を傾けた。

同保存会の平城元会長が講演。ゲンジボタルの発光周期について、東日本が4秒、西日本が2秒と東西で異なると言われ、その境界が「フォッサマグナ」(大地溝帯)になっている可能性が高いと以前から推定されてきた。

近年の遺伝子解析によって、遺伝子群の境はフォッサマグナ域と一致することが判明。短周期の西日本型と長周期の東日本型の生息場所はこの地帯を境とし、山岳地帯によって両集団間で遺伝的交流が制限され、長い年月を経て両地域で固有の進化を遂げたと考えられるという。

「ゲンジボタル内でフォッサマグナ地帯を境に、別々の種になりつつあるという驚くべき事実。いずれどちらかが、ゲンジボタルとは別の名前を持つことになるかもしれない」と述べた。

「ほくぼうホタル学」の講演

© 津山朝日新聞社