ポラール、有機EL採用の最上位スマートウォッチ「Grit X2 Pro」。新センサーでSpO2や皮膚温にも対応

「Grit X2 Pro」(左)、「Grit X2 Pro Titan」(右)

ポラール・エレクトロ・ジャパンは、スマートウォッチ「Grit X2 Pro」および「Grit X2 Pro Titan」を4月4日に発売する。価格はGrit X2 Proが121,000円、Grit X2 Pro Titanが140,800円(どちらも税込)。また、Grit X2 Proと心拍センサー「H10 N」とのセットも129,800円(税込)でラインナップする。

同社のアウトドア向けスマートウォッチの最新機として、最上位モデルが刷新された格好。ナイトブラックの通常モデル「Grit X2 Pro」に加えて、チタンを採用する「Grit X2 Pro Titan」をラインナップ。どちらも基本性能は同じだが、チタンモデルにはシリコンリストバンドに加えて、レザーのリストバンドも付属する。

大きな特徴として、ディスプレイが従来の液晶から有機ELに変更。これにより、「屋外でも鮮やかで視認性の高い表示」を実現したという。解像度は326ppiで、表示エリアも前モデル「Grit X Pro」と比較して15%拡大している。また前モデルと比較して、CPUの動作周波数は129%高速な275MHz、メモリは1MBから37MBに増えることで、動作のレスポンスも高めた。

左が前モデル「Grit X Pro」、右が新モデル「Grit X2 Pro」

カバーガラスは引き続きサファイアガラスを採用し、傷の付きにくさなど強度にも配慮する。さらに、アメリカ国防総省の調達基準である「MIL-STD 810H」に準拠した耐久性もアピール。高/低気圧、高/低温への暴露、浸食、腐食などを含む非常に厳しい条件にも十分に耐えるとする。防水性能は100m(WR100)。

「Grit X2 Pro」

本体の内部ストレージは、前モデルの0.64MBから増量され、32GBとなった。これによってオフラインマップも利用できるようになり、本体に地図データをダウンロードして、時計だけで現在地を確認可能。地図を用いたルートナビゲーションに対応するほか、事前に計画したルートを赤の線、たどってきたルートを青の線で表示するブレッドクラムトレイル機能にも新対応する。

ブレッドクラムトレイル機能

新たな機能としては、上昇/下降速度のリアルタイム計測や、直近30秒の平均上昇速度を計測できるVAM(平均登板速度)をサポート。さらにStravaで作成したルートの表示にも対応予定としている。

本体に搭載する心拍センサーには、最新の「Polar Elixir」を搭載。前モデルに搭載していた従来のセンサーと比べて、ランニングや筋力トレーニングなどの多くのアクティビティで、心拍計測精度が10%~25%改善したとしている。そのほか、気圧式高度計、デュアルバンドGPSに加え、新たに血中酸素レベル(SpO2)や皮膚温の計測もサポートした。

左が前世代の「Polar Precision Prime」、右が新世代の「Polar Elixir」

バッテリー持続時間は、スマートウォッチモードで最大10日間、デュアルバンドGPSと常時心拍計測の運動計測では最大43時間、省電力モードによる運動計測では最大140時間となっている。充電ケーブルはUSB-Cケーブルに変更され、高速充電にも対応する。外形寸法は2モデルとも直径49mm×厚さ14.4mm。質量はGrit X2 Proが78g、Grit X2 Pro Titanが64g(レザーリストバンド使用時)となる。

本日都内で発表会が開催され、YouTuberでトレイルランナーのガチオ氏、ポラールアンバサダーで登山家のSUZU氏が登壇。事前に新製品を試した感想をトークセッションで述べた。

左からガチオ氏、ポラール・エレクトロ・ジャパン代表の榊原伸司氏、SUZU氏

この中でガチオ氏は、実際に前モデルと比較計測したグラフをもとに説明。たとえば里山を走った場合、「坂道を登っているときは、そのタイミングで心拍数が上がる。山頂のなだらかなところでは、心拍数も落ち着く」というように、山の斜面と心拍数が似たようなグラフになるという。旧モデルよりも新モデルのほうが、この形状が似ていることから「精度の向上が見て取れる」と絶賛した。

ガチオ氏が里山を走った際の計測結果

またSUZU氏は、新機能の昇降速度/平均登板速度(VAM)が、登山において「何時までにテント場につきたいとか、山頂に行きたいというときの、時間配分の指標になる」と説明。またカメラマンとして撮影を行うSUZU氏は、日の出と日の入りを表示する機能が「一番きれいな時間が夕暮れあたりと夜明けなので、山のプランニングがしやすくなった」として、従来から重宝していることをアピールした。

© 株式会社 音元出版