佐野勇斗、やりがいを感じる瞬間は「M!LKに還元できた時」

佐野勇斗

5人組ボーカルダンスユニットM!LKの佐野勇斗が、Amazon Originalドラマ『僕の愛しい妖怪ガールフレンド』(3月22日〜Prime Video世界独占配信)で主演を務める。佐野はゲーム好きオタク男子の犬飼忠士(ハチ)を演じる。本作は、ゲーム好きなオタクの男子大学生・犬飼忠士と、人間のある一族への復讐を使命として背負った美しき妖狐・イジー(演・吉川愛)との奇妙な関係を描く、新感覚ラブコメディ。多くの漫画・小説原作の実写化を手掛けた三木孝浩監督が手掛ける。インタビューでは、本作に臨む姿勢から、撮影の裏側、役者としての活動の目標や夢について話を聞いた。【取材・撮影=村上順一】

ハチはダサすぎないオタクを意識

――今回の脚本を読まれた印象は?

俳優を10年ぐらいやってきましたが、海外の方が書いた台本というのは、僕の中で初めての経験でした。台本にはト書きというセリフの間におおよその行動イメージが書かれているものなのですが、今回の台本には「びっくりしちゃうね」みたいな感じで、ト書きに声のようなものが入っていたのが印象的で、台本を読んでいておもしろかったです。

――佐野さんがハチを演じるときに意識していたことは?

ハチはちょっと情けないんだけど、どこか愛されるキャラクターにしたい、「ダサすぎないオタク」というのを意識していました。この作品の世界感がおしゃれなので、身なりもダサすぎないようにとプロデューサーさんに相談してすり合わせました。

――ご自身とハチ、似ているところはありますか?

僕はアクティブなアウトドア派という感じではなくて、インドア派なんです。スポーツとかは好きなんですけど、割と家にいることが好きで誰かに誘われないと外出しないタイプなので、けっこうハチと似ているかもしれません。

――撮影で大変だったことはありましたか。

ここまでCGを使った作品に出演したことがなかったので、初めて完成した映像を見て驚きました。現場では想像で演じなければいけなくて、たとえば吉川さん演じるイジーが影を使って移動するシーンのお芝居も難しかったですし、トンネルでネズミが出るシーンも、ネズミがいない状態でやっていたので、映像を観て、「あんなに大きいネズミだったんだ」と思いました。CGを想像しながらというのはすごく難しかったのですが、すごくいい経験になりました。

――吉川愛さんやアントニーさんなど、共演者の方とはどのようなやりとりをされていました?

僕は吉川さんとアントニーさん、3人のシーンが多かったんですけど、まずお互いの呼び方を決めました。僕は2人からは「はやちゃん」と呼ばれています。

――すごくフレンドリーなのが伝わってきますね。

吉川さんとは監督と一緒に何回か食事にも行きました。アントニーさんは、「今度ご飯に誘うね」と言ってくれていたのですが、撮影が終わって1年以上経つのにいまだに誘ってくれないんです。「焼肉、絶対いこうね 」と言ってたのに。これは絶対記事に書いてください(笑)。

――あはは(笑)吉川さんとはどのようなお話しをされました?

プライベートの話をよくしていて、その中で吉川さんはめちゃくちゃユッケが好きで、それさえあればご機嫌だというのがわかりました。これは吉川さんのトリセツです!

――さて、三木監督との会話の中で印象的だったことはありますか。

三木監督とご一緒するのは僕のデビュー作以来2回目なんです。今回泣くシーンがあるんですけど、そのシーンで監督が「勇斗成長したね。もうパパの気持ちだったよ」と言ってくださって。それはデビュー作の時に緊張からうまく泣けなかったからなんです。すごく苦しんだのを今でも覚えています。

――ところで、主題歌は水曜日のカンパネラさんの「たまものまえ」ですが、聴かれてみていかがでした?

歌の出だしから引き込まれましたし、すごく中毒性があって何回も聴きたくなってしまう曲だなと思いました。早く自分のプレイリストに入れたいくらい気に入っています。

自分に勝ち続けたい

――役者として新しい目標、夢はどんなことがありますか。

まずは本作の大ヒットが目標です。そして本作は世界配信なので海外の方たちが日本の役者の話になったときに、「MUYG(My Undead Yokai Girlfriend)の佐野」といった感じで名前が上がるのが夢です。他にもアカデミー賞を獲りたいですし、ゴールデンタイムのドラマでの主演や、朝ドラや大河にも出たいという、たくさん夢はあります。

――夢は無限大ですね。役者として今どのようなやりがいを感じていますか?

役者さんたちとセッションみたいな感じで合わせて、それがバチっとハマった瞬間はもちろん楽しいですし、作品が放送・配信されてお客さんが楽しんでくれた瞬間も嬉しいのですが、1 番はM!LKに還元できた時なんです。たとえばこの作品を見て僕のことを知って、M!LKが好きになりましたとか、俳優業をきっかけにM!LKが広がっていくのを感じられたときにすごくやりがいを感じます。

――さて、役にアプローチするにあたり、キックボードとゲームの練習をやられていたとのことですが、プライベートでゲームはやりますか。

普段ゲームはほとんどやらないんです。僕は自分を高めるのが好きで、勉強や筋トレで追い込みたいタイプです。スケジュールをパンパンに詰めて、10分間は筋トレ、15分間はダンスの復習や英語の問題集をやったり。そうなるとゲームをやっている時間がないんです。

――ストイックですね。

実は何もやらずにダラダラするのがすごく好きなんですけど、ダラダラすることに何の意味があるんだろう、と思った時がありました。もちろんサボってしまうときもあるんですけど、自分が決めたことを達成できた時はすごく気持ちよくて、将来への自己投資みたいな感覚でやっています。

――達成感を得ると自己肯定感を高めてくれそうですね。

それもありますが、一番は自分に負けたくないんです。何事も選択というのは自分と闘うことだと思っています。ちょっと気が緩んで「まあいいか」と思って寝てしまった時とか、自分に負けた感じがしてすごく悔しくて(笑)。夢を諦めてしまうのも自分の選択ですし、自分に勝ち続けたいです! (おわり) ・ヘアメイク:望月光(ONTASTE) ・スタイリスト:伊藤省吾(sitor)

作品情報

Amazon Originalドラマ 『僕の愛しい妖怪ガールフレンド』 概要 タイトル:『僕の愛しい妖怪ガールフレンド』 配信開始日:3月22日(金)よりPrime Videoにて世界独占配信 話数:本編8話(1話約30分) 制作総指揮・脚本:ヤルン・トゥ、ザック・ハインズ 監督:三木孝浩 キャスト:佐野勇斗、吉川愛

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