【MLB】契約に「キーマン条項」が含まれている大谷翔平 水原一平通訳の解雇でオプトアウトは可能か…… 米メディア解説

ドジャースは20日(日本時間21日)、大谷翔平投手の通訳を務めていた水原一平氏を解雇したと発表した。同氏を巡っては、米複数メディアがスポーツの違法賭博で多額の借金があったと伝えていた。北海道日本ハムファイターズ時代からともに歩んできた同氏の突然の解雇とあって、大谷に及ぼす影響が懸念される。

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■大谷の弁護士は「大規模な窃盗」で告発

米スポーツ専門局『ESPN』によると、大谷の銀行口座から少なくとも450万ドル(約6億7500万円)が“胴元”に送金された疑いがあるという。これが水原氏の負債を肩代わりするために、大谷が承知の上で送金したのなら「純粋に水原氏にお金を貸してあげた」という話で済むかもしれないが、大谷の代理人弁護士が「massive theft(大規模な窃盗)を行った」として同氏を告発している現状を鑑みると、大谷の知らぬところでお金が動いたか、あるいは聞かされていた以上の金額が送金されていた可能性が否定できない。

米メディアの情報を総合すると、水原氏やMLB機構は捜査当局から接触を受けておらず、選手会や大谷の代理人であるネズ・バレロ氏もコメントを発していない。そのため、事象を含めて不明な点が多く、「(全容解明に)時間がかかる」と話すMLB関係者もいるという。

ドジャース専門メディア『ドジャース・ネーション』は一連の報道を受けて、「ドジャースがオオタニの通訳を解雇 二刀流のスターは契約をオプトアウトできるか?」と題した記事を掲載。

記事によると、ファンの間では二人三脚でメジャーの荒波をくぐり抜けてきた“相棒”が退団したことで、大谷がオプトアウト(契約破棄する権利)を行使する、あるいは行使できるのか、ということが話題になっていると指摘。その上で「答えは簡単。オプトアウトはできない」と紹介した。

■球団オーナーと編成本部長の退団が条件

大谷は10年総額7億ドルでドジャースと契約したが、一定期間後の見直しなど基本的なオプトアウトは付いていない。ただ、「キーマン条項」というものが付帯。これは、例えば「監督がチームを去った時には私も出て行く」という類のもので、人事変更が発生した場合、オプトアウト権を得ることができる。

大谷の場合、マーク・ウォルター球団オーナーとアンドリュー・フリードマン編成本部長のどちらかが退団した場合にオプトアウト権を獲得できるという契約になっており、水原氏は確かに“キーマン”だが、同氏が退団しても大谷はオプトアウト権を手に入れることはできないし、当然行使もできない。

そもそも今回、米メディアの情報では大谷は被害者という立場であり、水原氏と進退をともにする理由はないはず。同メディアは「オオタニとドジャースの契約では、チームは彼に通訳を付けることが義務付けられている。本日、チームには新しい通訳が配置される予定だ」と記した。

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文●SPREAD編集部

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