中川大志、イベントでも“リアル花岡”に!? 愛に溢れた『Eye Love You』ファンミーティング

3月26日に、いよいよ最終回を迎える火曜ドラマ『Eye Love You』(TBS系)。そのファンミーティング『Eye Love FAN Festival!~「Eye Love You」最終回直前!スペシャルFANミーティング~』が、3月20日に東京・渋谷ヒカリエ9階ヒカリエホール ホールAにて開催された。

『Eye Love You』は、二階堂ふみ演じるヒロインの侑里と、チェ・ジョンヒョプ扮する韓国人青年テオの、テレパス(心の声が聞こえる能力)を巡るファンタジック・ラブストーリー。イベント前夜に、2人に待ち受ける運命が明かされた第9話が放送されたばかりとあって、キャスト陣の登場に大歓声が上がった。そんなファンの熱量溢れるイベントの様子をお届けしたい。

●Omoinotakeライブなどサプライズ続きのオープニング

会場となるヒカリエの9階フロアに着くと、まずエレベーターのドアから降りられないほどの人の数に圧倒された。二階堂&ジョンヒョプのサイン入りパネルの前にも、記念撮影を楽しむ人の列がズラリ。実は今回のイベントには3万3228名もの応募が殺到したというから、その数字からも、このドラマがいかに多くの人から愛されているかが伝わってきた。

開演時間15分前になると中島啓介プロデューサーと岡本伸吾監督、そして劇中でもおなじみなラッコのキャラクター・ラッきゅんがステージの幕前に登場し、トークで会場を温めていく。そして、いよいよ開演のときが迫ると、岡本監督が、現場で言い続けてきた「よーい、はい!」の合図で、カウントダウンをすることに。それも、物語に絡めて「33秒」前からというのもファン心をくすぐるところだ。

「33、32、31……」と徐々に声も大きくなっていき、ついに「3、2、1」のタイミングで幕が落ちると、そこにはなんと主題歌「幾億光年」を歌うOmoinotakeの姿が! 思わぬ展開に会場からは驚きの声が上がると、手拍子をしながら体を揺らし思い思いにメロディに身を委ねる。心に響く生演奏と歌声に、この3カ月間の幸せな時間が鮮やかに蘇り、なかには感極まって瞳をうるませるファンの姿も見受けられた。

そうして一気に『Eye Love You』色に染まった会場へ、亀井茂夫役のゴリけん、小野田学役の清水尋也、花岡彰人役の中川大志、ユン・テオ役のチェ・ジョンヒョプ、そして本宮侑里役の二階堂ふみの順にキャスト陣が呼び込まれると、なんと客席横から姿を現すという粋な演出にまたもや大歓声が湧き上がる。キャストたちもファンとハイタッチを楽しみながらステージに向かうという笑顔溢れるオープニングとなった。

●名シーンVTRの振り返り&再現にファンもキャストも大興奮!

イベントのメイン企画となったのは、視聴者が選んだ名シーンをキャストと振り返っていくというもの。本作で欠かせない名場面といえば、やはり北海道・霧多布岬の灯台で侑里とテオが想いを伝え合った「お米は好きですか?」「はい、好きです」から始まる告白シーンだ。ステージ上のモニターにVTRが映し出されると、しんと静まり返る。誰もがそのシーンを大切に思っていることがうかがえる静けさだ。

そしていよいよテオの「じゃあ僕は?」の問いかけに、侑里が「僕も好きです!」と答えたところで一気に「ワー!」「キャー!」と拍手喝采が巻き起こる。その大興奮っぷりに二階堂も思わずバンザイ! ジョンヒョプは頬を赤らめながらクシャッと笑顔を浮かべてみせた。そして、その後のキスシーンを、中川大志は花岡として見ていられないといった様子で手で目を隠す細かな芸を披露してみせた。

さらに、その名シーンをジョンヒョプとファンとで再現しようという展開に。ジョンヒョプはマイクを通さずに、あの灯台と同じように声を張ってファンに「お米は好きですかー?」と問いかける。その熱意に応えるべくファンも大きな声を出して「はい、好きです」と台詞を返す。ゴリけん、中川、清水も、このときばかりは侑里になりきって一緒にコール&レスポンスに参加していく姿も微笑ましい。そして、最後にジョンヒョプの「マニサランヘヨー!」が飛び出すと、会場が揺れんばかりの歓声が。想像以上の盛り上がりに「素晴らしかったです!」と喜びの感想を述べるジョンヒョプに、「すごい良かったです、愛が伝わりました!」と二階堂も満面の笑みを浮かべる。

他にも、劇中で侑里とテオが頭に乗せたヤンモリ巻きのタオルにちなんで、キャストが2チームにわかれて「ヤンモリ早乗せ対決」を披露する場面も。くじ引きの結果、偶然にも二階堂&ジョンヒョプが同じチームになったこともファンを喜ばせた。また、ドラマではジェスチャー演技も見どころの一つということから、ファンがモニターに映し出されたお題をもとにジェスチャーをしてキャストが回答するというゲームも。「だるまさんが転んだ」「宴会常務」「おうちデート」などドラマのキーワードがお題となっており、キャストも前のめりで正解を導こうとしてくるから終始笑いっぱなしの時間となった。ゲーム終了後、ゴリけんが「答えが口から言葉で出てたお客さんがいた!」と言うほどの白熱っぷりだったことに、また笑ってしまうのだった。

●MVPはドラマもイベントも頼れる男、“リアル花岡”な中川大志!?

ファンとのふれあいを目一杯楽しむ無邪気な二階堂、そして照れ屋な素顔を見せてくれたジョンヒョプがそれぞれ魅力を発揮するなかで、イベントを大いに盛り上げる立ち回りを見せたのが中川だった。「ヤンモリ早乗せ対決」では、清水とチームを組んだ中川。だが惜しくも二階堂&ジョンヒョプチームに負けてしまったことで、韓国の苦いお茶を飲むはめに。「うわ、すっご」とリアクションする清水に対して、グッと涙目になってこらえる。その姿を見たMCから感想を尋ねられると「……マシッソヨ(おいしい)」と言い放つ。その思わぬ答えに思わずジョンヒョプが手を叩いて大喜び。

さらに、ジェスチャー対決でもゴリけんと共に罰ゲームで苦いお茶を飲むことになってしまう。ゴリけんが芸人らしく「うわー!」と派手に苦さを表現している横で、またもや黙って耐えて見せる。もちろん、その反応についてMCから振られると「マシッソヨ~」と、今度は余裕の笑顔を見せて笑いを誘うのだった。

また、中川が演じた花岡といえば「後出しジャンケン」ということで、ファン全員と「花岡専務とジャンケン大会」が実施された。「最近、ジャンケン1本でやってるんでね」なんて“ジャンケン俳優”を自称して見せるトーク力も披露しつつ、ファンとジャンケンを楽しむ。そして、最後の1人はステージであの名場面を再現する展開になったときも、勝ち残った女性にさり気なく手を差し伸べてエスコート。さらには「本宮が強いんだよ」の台詞を勝ち残った女性の名前に変えてみせたり、ステージを降りるときにも「行って来い、本宮」とテオのもとへ行く侑里の背中を押すシーンにもリンクさせて言ってみせたりと、どこまでもファンを喜ばせる対応を見せていた。

●山下美月の参戦&とっておきの裏話が披露された感動の第2部

また、19時開演の第2部には池本真尋役の山下美月も登場するという新たなサプライズが用意されていた。そして、霧多布岬の灯台シーンを振り返る場面では「マニサランヘ」の大声対決という新しい企画も。声の音量を測る機械を手に、ゴリけん、清水、中川、二階堂、ジョンヒョプ、そして山下が次々に愛を叫び、そのガチっぷりにまた会場が笑いに包まれた。こうしたイベントに向き合うまっすぐな姿勢からも、1人ひとりが全力でいいものを作ろうとしていたことが伝わってくるようだった。

実際に、『Eye Love You』では現場でキャスト陣から出てきたアイデアが採用された、アドリブ演技も数多くあったとのこと。中川は「急にリハーサルでテオくんは腕時計を持ってないのに、花岡の真似(時計を触る仕草)をし始めて。最後にボソボソっと言われて。なんて言ったんだろうなと思ってたらオンエアで字幕が出てたんで、“ああ、そういうことだったんだ”って」とジョンヒョプのアドリブに驚かされたエピソードを披露。すると、ジョンヒョプは照れ笑いをしながら「花岡さんとは対立関係だったので、時計を使って見せられるんじゃないかと思いました」と話す。そうしたジョンヒョプの演技の引き出しの多さに、二階堂も毎回台本に目を通しながら「ジョンヒョプさんがどんなふうにやるのか楽しみだった」と第1部で振り返っていたのも印象的だった。

また、北海道ロケに行く道中の飛行機では、二階堂、ジョンヒョプ、中川が3人同じ便だったという初出しの裏話も飛び出した。さらにチケットの通りに座ると、中川が2人に挟まれる形になったということで「左にヒョプがいて、右にふみさんがいて、ものすごいいい役作りになりました。北海道までに気持ちが出来上がりました。こんな感じで(花岡も侑里とテオに挟まれて)3人で北海道に出張に行ったのかなって」と明かすと、会場から笑いと驚きの声が。二階堂も思い出し笑いをしながら「朝も早かったですし、撮影もかなりハードだったので、それぞれお休みモードに入ってたんですけど、真ん中にいる中川くんがそんなに読むつもりもない機内誌を取ってたのが横目で見えて(笑)」と続け、ジョンヒョプも隣で微笑みながらうなづく。

何事も丁寧に作り上げるというのは、楽なことではない。それでもみんなで時間や手間を惜しまずに作り上げたものは、作った人もそしてそれを受け取る人の心も温める大切な思い出になるものだ。このドラマは、まさにキャストにとっても、そしてスタッフや視聴者にとっても、そんな宝物になったのではないだろうか。第1部の挨拶では二階堂が思わず感極まって言葉を詰まらせる場面もあった。それくらい「本当に本当に大好きで大切な作品」であり、「素晴らしいスタッフの方々が愛を込めて作ってて、それをみなさんが受け取ってくださって、それをまた我々が受け取って。良いご縁をたくさんいただいた作品です」と。

そして、中川は第2部の最後に「何より、1人で日本にやって来てくれたチェ・ジョンヒョプに本当に感謝したいと思います。本当に尊敬しています。ありがとうございます、日本に来てくれて。これからも……」と手を差し出すと2人がガッチリと握手をする場面に胸が熱くなった。そんな中川の言葉に、思わず客席に背を向けてこみ上げるものを堪えるジョンヒョプの様子を見たら、どれほどの努力があったのだろうと目の奥がツンとした。そんなリスペクトと感謝が溢れる現場から生まれた作品が終わってしまうのは淋しい限りだが、きっと見終えた後には大きな愛を受け取った幸福感に満たされるのではないだろうか。そんな確信を覚えた心温まるファンミーティングだった。

(文=佐藤結衣)

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