中国海南省ボアオで「ニアゼロカーボンモデル区」運用開始

中国海南省ボアオで「ニアゼロカーボンモデル区」運用開始

 【新華社ボアオ3月21日】中国海南省瓊海(けいかい)市博鰲(ボアオ)鎮の東嶼(とうしょ)島でこのほど、住宅都市農村建設部と同省政府が共同で建設した「ボアオ・ニアゼロカーボンモデル区」の運用開始式が行われた。世界先進水準のモデル区がニアゼロカーボン運用段階に入った。

 モデル区では、エネルギーや建築、交通、廃棄物処理など複数分野の二酸化炭素(CO2)排出削減技術の総合的な導入、林業カーボンシンク(CO2吸収源)取引など質の高いカーボンオフセットの設定、管理や市場などの手段の総合的な活用、管理メカニズムの革新的な実践を進めることで、エネルギー効率向上、エネルギー種類、エネルギー構造の三つの面で、新エネルギーの発電と消費のバランスを達成する。

 建設部と同省は2022年から3年かけて、中国のグリーン・低炭素発展の理念や技術、実践を世界に示すための窓口として、モデル区を共同で建設。ドイツ・エネルギー機構(dena)からゼロカーボン運用区域として認証されたほか、脱炭素評価の第三者機関の審査にも合格した。中国の国家規格「ゼロカーボン建築技術標準」の「ニアゼロカーボン区域」の指標要件も満たしている。

 中国都市規画設計研究院の王凱(おう・がい)院長によると、モデル区の広さは1.92平方キロで、年間CO2排出量が一連の建設工事を通じて、19年の1万2200トンから470トンに減少。今後は島内の化石燃料車の管理強化とカーボンオフセットによってさらに削減できる。中でも建築や市政インフラのエネルギー使用による年間CO2排出量は19年の1万1千トンからほぼゼロにまで減少した。(記者/趙玉和、黎多江)

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