大谷翔平、電撃解雇の水原通訳の“代役”W.アイアトン氏とは? 前田健太のドジャース時代を支えた敏腕通訳

スーパースターの“代理”通訳が明らかになった。

現地3月20日、ロサンゼルス・ドジャースは大谷翔平の通訳を務める水原一平氏を違法賭博と窃盗の疑惑を受け、同日付けで解雇したと発表した。

複数の米メディアによると、水原氏は大谷の資金を違法ブックメーカーへの賭け金に用いる大規模な窃盗に関与していたとされている。事態を重く見たドジャースは、この騒動について声明を発表し、水原通訳の解雇を認めた。同通訳はパドレスとの開幕戦後、クラブハウス内で選手や球団関係者に謝罪。「ギャンブル依存症」であると、打ち明けたことが報じられた。

予想もしないスキャンダルに巻き込まれる形となった大谷は、21日のサンディエゴ・パドレスとの開幕シリーズ第2戦に「2番・指名打者(DH)」で先発出場することが発表された。メンタル面が心配されたが、前日に引き続き毅然とスタメンに名を連ねた。

試合前、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督が水原通訳の電撃解雇を受けて緊急の記者会見を開き、パドレス戦に臨む大谷と先発登板する山本由伸の通訳には、前田健太(現デトロイト・タイガース)のドジャース時代の通訳を務めたことがあるウィル・アイアトン氏が担うと発表。「今夜は彼が、その役割(試合中の通訳)を務める」と話した。
米メディア『The Athletic』のファビアン・アルダヤ記者は自身のX(旧ツイッター)に水原通訳の解雇を補足しながら、「今夜からは、ドジャースでケンタ・マエダの通訳を務めたウィル・アイアトンが、ショウヘイ・オオタニの通訳とヨシノブ・ヤマモトの試合中の通訳を務める」と即投稿するほど、現地でも同通訳の離脱は大きな衝撃として受け止められている。

当時、広島カープのエースとして活躍した前田はポスティングシステムを利用して2016年にドジャースに移籍。20年にミネソタ・ツインズにトレード移籍されるまで、先発ローテの一角として活躍。17年には中継ぎとしてワールドシリーズ進出に貢献した。

その右腕を陰で支えていたのが、アイアトン氏だ。同氏は15歳まで東京で過ごし、日本語が堪能。まだ英語に不慣れだった前田の通訳として全面的にサポートし、ベンチでは談笑する姿が何度も見られた。

現在、アイアトン氏はチームのデータ分析を担当しており、「代理」とはいえ現状ではうってつけの人物と言っても過言ではない。

相棒とも称された水原通訳と突然のコンビ解消となった大谷。不穏な雰囲気のなか、スーパースターはその打棒で空気を一変させることができるのか。大いに注目である。

構成●THE DIGEST編集部

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