ユーロ圏総合PMI、3月速報値は49.9 製造業は予想外の悪化

[ロンドン 21日 ロイター] - S&Pグローバルがまとめた3月のユーロ圏のHCOB総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は49.9と、市場予想を上回り、好不況の分かれ目となる50まであと一歩に迫った。インフレ圧力が緩和した。

ただサービス業が大幅に改善する一方で、製造業は悪化した。

総合PMIは10カ月連続で50を下回った。ロイター調査の予想は49.7。前月は49.2だった。

全体的な投入物価格と販売価格を示す指数は低下し、販売価格指数は53.1と4カ月ぶりの低水準となった。

サービス部門PMIは51.1と9カ月ぶりの高水準で、ロイター調査の予測(50.5)を大きく上回った。2月は50.2だった。

ハンブルク商業銀行のエコノミスト、サイラス・デ・ラ・ルビア氏は、サービスPMIが前月から上昇し2カ月連続で50を上回ったのは明るい材料と指摘した。

サービス需要は昨年6月以来初めて拡大し、新規事業指数は49.8から50.5へ上昇した。

一方で製造業PMIは45.7と3カ月ぶりの低水準となった。アナリストは2月の46.5から47.0へ上昇すると予想していた。

デ・ラ・ルビア氏は「製造業が第1・四半期に回復すると期待していたのならあきらめるべきだ」と語った。

生産高指数は46.6から46.8へ上昇した。

雇用指数は47.1から46.6へ低下し、昨年11月以来の低水準となった。製造業が目先の改善を予想していないことが示された。

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