中国の研究チーム、大別山区でクサスギカズラ属の新種発見

中国の研究チーム、大別山区でクサスギカズラ属の新種発見

大別山天門冬の特徴を示す画像。(資料写真、武漢=新華社配信)

 【新華社武漢3月21日】中国科学院武漢植物園の研究チームはこのほど、湖北、安徽、河南の3省にまたがる大別山区でキジカクシ科クサスギカズラ属の新種を発見し、発見地にちなんで「大別山天門冬(てんもんどう)」と命名した。研究成果は植物分類学の国際誌「Phytotaxa」に掲載された。

 研究チームは2020年より大別山区で野外調査を40回余り実施。22年に未知の種を発見し、長期的に観察しながら花や果実、種子などの情報を集めた。23年にも湖北省の黄梅県と武穴市で同種の個体群が見つかり、詳細な形態比較や分子系統学的な分析の結果、キジカクシ科クサスギカズラ属の新種と断定した。

 大別山天門冬は同じクサスギカズラ属のクサスギカズラやアスパラガス・フィリシヌスと形状が似ているが、花梗(かこう)が1~3ミリと短く、節がないほか、仮葉枝が長いもので16.4センチと他の2種に比べまっすぐで長い。これまでに大別山区でしか見つかっておらず、同山区の固有植物とされている。

 論文の筆頭著者である同植物園東アフリカ植物区系・分類学術グループの博士課程大学院生の楊家鑫(よう・かきん)氏によると、大別山天門冬は個体群が三つ見つかっているが個体数は少ない。国際自然保護連合(IUCN)が定める「IUCNレッドリストカテゴリーと基準」に基づき、危急種に暫定指定されており、保護の強化が必要との認識を示している。(記者/侯文坤)

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