「春耕」の様子を描いた茶碗、コミカルな要素も―中国

「五彩耕織図碗」には、牛の背に乗った農夫が描かれており、その後ろには家屋が整然と建ち並んでいる。

「春耕」とは、春に田畑を耕すことで、1年の農作業の始まりを意味している。「五彩耕織図碗」には、牛の背に乗った農夫が描かれており、その後ろには家屋が整然と建ち並んでいる。道にはコケの生えた石が幾つも並んでおり、農家にとって繁忙期であるものの、のんびりとした雰囲気が漂っている。その近くでは、農夫が水牛を使って田んぼを入念に耕し、土と肥料が均一になるように混ぜながら、土ならしをしている。茶碗の内側の底に描かれている3頭目の牛の背には男の子が乗って、笠を高く上に投げており、農家にとって忙しい「春耕」を描いた絵にコミカルな要素が加えられている。

茶碗に描かれている「春耕」の様子は、清代の康熙帝の「御制耕織全図」をモチーフにしている。康熙帝は江南地方を視察した際、楼璹が描いた「耕織図」を見て、それを宮廷に持ち帰り、画家の焦秉貞に「御制耕織図」を描かせた。伝統的な中国画と比べると、焦秉貞は「御制耕織図」に西洋画の透視図法を融合させており、中国と西洋の画法を組み合わせた新しい画風となった。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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