149年の歴史に幕 北秋田市の前田小学校 閉校式

地域に住む人の数が減り、子どもの数が減って県内では学校の統合が進み、この春は小中高あわせて5校が閉校します。明治時代の創立で149年の歴史がある北秋田市の前田小学校も歴史に幕を下ろすことになり、閉校式が行われました。

1875年(明治8年)創立、北秋田市阿仁前田にある前田小学校です。

今年度の全校児童は28人。21日は最後の卒業生となった8人も出席して閉校式が行われました。

かつて周辺は、炭鉱と林業で栄え、児童数が最も多かった1963年度、前田小学校には1066人が通っていました。しかし、炭鉱と林業の衰退とともに人口減少と少子化が大きく進みました。

閉校式で児童代表は「僕は地域の人たちとの優しさと美しい自然に囲まれているこの前田小学校を誇りに思います。前田小学校が閉校してしまうことは、とてもさみしいです。けれども、これからも僕たちはこの前田小学校の宝物を大切にしていきたいと思います」とあいさつしました。

いまの北秋田市出身で、浜辺の歌や秋田県民歌の作曲者でもある成田為三が曲を手掛けた校歌。学び舎に響き渡るのも最後です。

149年の歴史に幕を下ろす前田小学校からはこれまで8939人が卒業しました。

地域とともに時を重ね思い出を刻んだ前田小学校。北西に7.5キロ余り、車で15分ほどの所にある米内沢小学校に統合され、子どもたちは来月から、新しい友達と学校生活をスタートさせます。

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