出雲駐屯地に「第13偵察戦闘大隊」発足 安全保障環境が変化、情報収集や戦闘力強化

新たに配備された16式機動戦闘車=出雲市松寄下町、陸上自衛隊出雲駐屯地

 陸上自衛隊出雲駐屯地(出雲市松寄下町)に21日、偵察と戦闘機能を持つ新部隊「第13偵察戦闘大隊」が発足した。北朝鮮のミサイル発射や中国の軍事的圧力など安全保障環境が変化し、防衛力強化が求められる中、従来の第13偵察隊を廃止して情報収集や災害対応に加え、戦闘力を強化した。駐屯地全体の人員は350人規模から530人規模に増強する。

 大隊は政府が2018年に策定した「中期防衛力整備計画」に基づく部隊編成や装備の見直しに伴い、日本原駐屯地(岡山県奈義町)の第13戦車中隊と、出雲駐屯地の第13偵察隊を統廃合し、新設した。

 政府が同年に策定した防衛計画の大綱と同計画では、陸自は北海道と九州以外の部隊が装備する戦車を廃止する一方、機動戦闘車を装備する部隊の新設推進を計画に盛り込んでいた。

 大隊の人員は約300人で構成し、情報収集や警戒活動の偵察機能に加え、戦闘機能を持つ。航空自衛隊美保基地(境港市小篠津町)に配備されるC2輸送機でも空輸可能な16式機動戦闘車を新たに装備。105ミリ砲を備え、8輪で路上走行し、機動性が高く、広域的な作戦を実行できる。装備台数は非公表。

 16式機動戦闘車など約100両を装備、人員と装備は第13偵察隊と比べて倍以上になった。隊舎も新設した。同駐屯地は大隊や第4施設団第304施設隊の8部隊となる。

 同駐屯地であった編成完結式には、所属する隊員約200人が出席。第13偵察戦闘大隊長の宗像秀樹二等陸佐に大隊旗を手渡した第13旅団長の德永勝彦陸将補は「不測事態に即応し、戦闘大隊として戦力を発揮できるように研さんを積んでもらいたい」と訓示。宗像二等陸佐は取材に対して「地域防災と防衛のために尽力したい」と決意した。

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