「実家が空き家になっている」そんな方々は要注意 最大10万円のペナルティも「相続登記」義務化のワケ

実家がいま空き家になっている…そんな方々は要注意です。近年、増え続けている空き家ですが、中でも問題になっているのが所有者がはっきりしない土地や建物です。これらの対策として4月から相続の登記が義務化されます。怠るとペナルティの対象になることがあります。

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<空き家買取専科 三輪早苗さん>
「こちらはですね、最近手放された空き家になっています」

静岡県島田市にある木造住宅。住んでいた人が亡くなり、2023年、家族が相続登記をして業者に売却しました。

<空き家買取専科 三輪早苗さん>
「使う予定がない空き家はやはり手放そうと思った時に相続をされていないと、やはり売れないというところがありますので」

空き家の買い取り業者が重要視するのが相続登記です。相続登記とは土地や建物の所有者が亡くなった場合に法務局に申請して名義を変更し、新しい所有者を明確にする手続きです。この相続登記が4月から義務化されます。相続から3年以内に登記を申請しなければならず、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料が科される場合があります。

ルール変更の背景にはあるのは所有者が分からない空き家の増加です。もし、地震などの災害があった際、持ち主の分からない空き家が倒壊すると手を付けることができず、復旧・復興の妨げになることが懸念され大きな問題となっているのです。

<藤枝市空き家ゼロにサポーター 杉本直人司法書士>
「(相続人が増えると)手続き完了までに数年かかる場合、費用も100万円以上かかることもあるので、速やかに相続登記を行っていただきたい」

3月21日、静岡県藤枝市で開かれたのは空き家に関する勉強会。空き家の相続を考えている人などに司法書士や不動産業者など、空き家問題のプロが相続登記の流れなどを解説しました。

<参加した人>
「(相続登記の義務化は)新聞やテレビで1年くらい前から聞くようになってきた。非常に参考になりました。聞き足りないけど、まだ聞く内容が準備できていない」

静岡県内では、空き家の数は年々増加していて、最新のまとめでは28万戸にのぼるなど、悩みの種は増えるばかりです。

義務化を前に相続登記を早めに済ませた人もいます。静岡市に住む伊藤さんは、両親が亡くなったことで実家の相続登記をしました。

<静岡市清水区 伊藤訓子さん(63)>
「やっぱり手入れができないと住んでいない家はだめになっていくって聞いたので、そんなダメにさせてしまうことが親不孝だなと思ったので早めに手を打ってよかったなと思います」

伊藤さんは、兄弟とも相談して家族の死後、半年以内に相続登記を行ない、業者にリノベーションを依頼し、すでに売却しました。

<静岡市清水区 伊藤訓子さん(63)>
「とりあえず相続をして、次の世代につなげていくのが日本を綺麗にしておけるんじゃないかと思います」

いつ必要に迫られる分からない不動産の相続登記。誰が管理し、相続するのか。早めに家族間で解決しておくことが何より重要です。

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