鹿児島県肝付町議会は21日の最終本会議で、町民に精神的動揺を与える発言をした疑いがあり、議員の品位や名誉も損なったとして、前田美春議員(64)=2期目=への辞職勧告決議案を賛成多数で可決した。起立採決で行われ11人中6人が賛成した。法的拘束力はなく、前田議員は辞職を否定した。
決議理由などによると、2023年11月、「議員と語る会」に出席した女性が前田議員の資質を問う発言をした。その後、前田議員は発言内容を巡って女性に「弁護士に相談している」などと言い、女性は「訴えられるのではないか」と精神的動揺が生じ、議会に相談。12月に政治倫理審査会が設置された。
計10回の政倫審で前田議員に7回出席を求めたが「代理人弁護士と同席なら出席する」として出席は実現しなかった。決議は「前田議員の意見を聞けず、事案の真相究明には至っていないが、説明責任を果たさない責任は重大」とした。
取材に前田議員は「辞職勧告は承服しがたい。(弁護士に相談しているとした)女性への発言は事実を述べただけで、政倫審出席も努力義務。今後も弁護士と相談して対応する」と話した。