松江城マラソンで倒れたランナー 居合わせた6人がつないだ救命バトン、松江市消防長から表彰

記念写真に納まるランナーとボランティアスタッフ(手前)=松江市学園南1丁目、松江市消防本部

 昨年12月の「国宝松江城マラソン2023」で、倒れたランナーに適切な処置を施したとして、その場に居合わせたランナー6人とボランティアスタッフ2人が21日、松江市消防長の表彰を受けた。ランナー6人のうち3人が医師で、日ごろの業務で培った的確な行動と、とっさの連携プレーでランナーの命をつなぎ留めた。

 昨年12月3日午前10時過ぎ、松江市八束町内でランナーがうつぶせで倒れた。近くにいた8人が協力し、反応や呼吸の確認、119番、胸骨圧迫、AED(自動体外式除細動器)を使用して救命措置に当たり、救急隊に引き継いだ。病院に搬送されたランナーは大きな後遺症もなく、社会復帰したという。

 松江市消防本部で行われた贈呈式には、このうち4人が出席。ランナーとして参加し、救命措置や指示に当たった奥出雲町立奥出雲病院の鈴木賢二院長(59)は「命を助けなければという一心だった。社会復帰したと聞き、うれしかった」と喜んだ。

 このほか、松江市の医師柴田直昭さん(43)、出雲市の医師桑原正樹さん(34)、走路員で参加した松江市の会社員菅井俊介さん(30)らが表彰を受けた。田村達朗消防長は「医療従事者やスタッフを中心に救命のバトンがつながった」と感謝した。

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