アドビ、Adobe Firefly生成AIをAdobe Substance 3Dワークフローに統合

アドビは、Game Developers Conference(GDC)2024において、Adobe Substance 3Dのデザインおよびクリエイティブワークフローに、Adobe Firefly搭載の新しい生成AI機能を直接組み込んだことを発表した。

新しい「テキストからテクスチャ生成」と「背景を生成」機能を搭載したSubstance 3D Sampler 4.4とStager 3.0のベータ版は、3月18日(米国太平洋時間)より開催されているGDC 2024のSubstance Daysで展示、アドビのAdobe Substance 3D ブースでデモされ、本日以降順次全てのAdobe Substance 3Dユーザーが利用可能になる。

Substance 3Dの最新リリースでは、2つの新しいAdobe Firefly搭載機能が導入された。

  • Substance 3D Samplerの「テキストからテクスチャ生成」機能では、クリエイターがシンプルなテキストプロンプトからフォトリアリスティックからスタイル化されたものまで、3Dオブジェクトの表面のテクスチャを生成できるようになる。この機能により物理的なプロトタイプの作成やストック画像の選定、人手による写真撮影も不要になるため、アーティストやデザイナーのクリエイティブおよび反復的なプロセスが大幅に強化される。
  • Substance 3D Stagerの新しい「背景を生成」機能は、テキストプロンプトから精緻な背景画像を作成し、遠近法とライティングをインテリジェントに調整してシーン上にオブジェクトがシームレスに合成されるようになる。

これらの新機能を組み合わせることで、クリエイティブなレビュープロセスを大幅に加速し、プロフェッショナルなデザインワークフローをより生産的でシームレスなものにすると同時に、時間を大幅に節約することができるという。

アドビの3Dおよびイマーシブ担当バイス プレジデントのセバスチャン デガイ氏は次のようにコメントしている。

アドビは、最先端のクリエイティブツールをデザイナーやアーティストに届けるために、常に新しく革新的な方法を模索してきました。Adobe Fireflyの生成AI機能をAdobe Substance 3Dに統合する目的は、単なる制作プロセスの効率化だけではありません。人間の想像力を代替えするのではなく、解き放つための新たな生成ワークフローによって、未踏の領域へとクリエイティブの可能性を切り開きます。 工業デザイナーやゲームおよびVFX業界のプロフェッショナルにとって、これらのアップデートは、アイデア出しのスピードアップと創造の自由の拡大に加え、高品質でリアルなテクスチャや環境が、従来に比べごくわずかな時間とコストで生成できることを意味するという。また、マーケティングのプロフェッショナルやコンテンツ制作者にとっても、忠実度の高いビジュアルやアニメーションを制作し、ブランドプレゼンテーションやストーリーテリングを強化する上で、新機能は大変有意義なものとなるとしている。

Adobe Fireflyの機能を使用して作成または編集されたアセットに、Adobe Fireflyは「コンテンツクレデンシャル」をデフォルトで付与し、制作の過程で生成AIが使用されたことを示す。コンテンツクレデンシャルは、デジタルコンテンツの「成分表示ラベル」の役割を果たす検証可能な詳細情報。アセット名、作成日、作成に使用したデジタルツール、途中で行われた編集などのコンテキスト情報を表示することで、デジタルコンテンツの透明性を高めるのに役立つという。

Coalition for Content Provenance and Authenticity(C2PA)が提供する無料のオープンソーステクノロジーにより、どこで使用、公開、保存されようともコンテンツと詳細情報との関連付けが維持される。これにより、デジタルコンテンツの著作者が適切に示され、消費者はそれを信用すべきかを十分な情報とともに判断できるという。

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