「洗濯に出した下着を別人に貸した」留置施設側に賠償命令 神戸地裁判決「他人が使用し効用喪失」

神戸地裁=神戸市中央区橘通2

 兵庫県警川西署の留置施設に勾留された際、自分の下着を同署員が誤って別の人物に貸し出したなどとして、兵庫県川西市の男性が兵庫県に約150万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が21日、神戸地裁であった。天野智子裁判長は「他人に使用されたもので、洗濯したとしても下着の効用を喪失させたといえる」とし、県に下着代638円の支払いを命じた。

 判決によると、男性は2020年6月、留置施設で下着1枚を洗濯に出したところ、貸し出し用下着を入れるかごに紛れ込み、同署員が誤って他の人物に使用させたという。

 署員らは下着を発見したが、発覚を防ごうと上司に虚偽報告をし、男性にも事実と異なる説明がされた。

 天野裁判長は署員らの行為を「下着を適切に管理すべき職務上の注意義務を怠った」と認定した。

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