トルコ中銀、予想外の5%利上げで政策金利50% 物価見通し悪化

Ezgi Erkoyun Daren Butler

[イスタンブール 21日 ロイター] - トルコ中央銀行は21日、インフレ見通しの悪化を理由に政策金利を5%ポイント引き上げ50%とし、インフレの大幅かつ持続的な悪化が予想されれば一段の引き締めを行う姿勢を示した。

市場の据え置き予想に反する決定を受け、通貨リラは対ドルで1.5%上昇し31.91リラを付けた。

中銀政策委員会は、月次インフレ統計で基調的な低下が顕著かつ持続的に観察され、インフレ期待が予測するレンジに収束するまで金融引き締めスタンスを維持するとし、インフレ率の大幅かつ持続的な悪化が予想される場合は引き締めを実施することになると述べた。

引き締め措置の一環で、政策運営の枠組みを調整し、翌日物借入・貸出金利を1週間物レポ金利より300ベーシスポイント低い、または高い水準に設定することも決定した。

2月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比67.07%上昇と、予想を上回った。

インフレ率は年央ごろには減速すると予想されているが、最近のリラ下落や外貨準備の減少を受け、追加利上げを予想する声も出ていた。

ロイターの直近のエコノミスト調査では、年内に追加利上げが実施されるとの予想が大勢だった。

3月31日には地方選挙が実施される。選挙後は財政政策の引き締めが予想され、市民生活は厳しさが増しそうだ。

インタッチ・キャピタルマーケッツ(ロンドン)のシニア外為アナリスト、ピョートル・マティス氏は「利上げは予想外だった」とし、「カラハン中銀総裁が驚異的な高インフレの抑制に向け決意を固めていることを示す極めて強いシグナルだった」と指摘。トリウム・キャピタル(ロンドン)の新興国市場ポートフォリオマネジャー、ピーター・キスラー氏も「シムシェキ財務相と中央銀行が一段と積極的になる余地があると解釈することができる」と述べた。

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