「歩かせて大谷翔平は嫌だ」古田敦也が『捕手目線』でド軍ベッツの2ラン本塁打を分析。強打者ゆえの“オーラ”が反撃を呼び込む

強打者ゆえのオーラが追撃の一発を呼び込んだ。

3月21日、韓国・ソウルでロサンゼルス・ドジャースはサンディエゴ・パドレスと開幕シリーズ第2戦を戦っており、大谷翔平は「2番・指名打者」で先発出場している。

試合は予想外の乱打戦を繰り広げている。パドレスは初回からメジャー初登板の山本由伸に襲いかかり、いきなり5点を奪取。NPB最高右腕を1回43球でKOした。

ドジャースもその裏に1点を返し、2回には1死二、三塁の場面で大谷がライトへのホームランかという大飛球を上げるが、惜しくもスタンド前で失速。だがこれが犠飛となり、点差を3点に詰めた。

3回以降も両チームの猛攻は続き、5回表を終わり10-6とパドレスがリード。その裏、ドジャースは先頭打者のジェイソン・ヘイワードが中安打で出塁。1アウト後、1番のムーキー・ベッツがカウント3-1から5球目のシンカーを振り抜くと、打球はレフトスタンドに一直線。反撃の2ランホームランを左翼は諦めて見送るしかなかった。

猛打賞となるベッツの今シーズン第1号にネクストバッターズボックスで備えていた大谷は満面の笑みで迎え、ダイヤモンドを1周したベッツと熱いハイタッチ。球場は背番号50に拍手喝采だった。
ベッツの一発にテレビ朝日で解説を務めていた古田敦也氏は「狙っていましたね」と、内角の甘い球を見逃さなかったスイングを称賛。さらに「(四球で)歩かせて大谷は嫌だったと思いますよ。それをベッツが見逃さずに打った」とコメント。ベッツを歩かせて、一発の可能性がある恐怖の2番打者・大谷に打席を回したくないというバッテリー心理を鋭く指摘していた。

流れに乗りたい大谷は第4打席、4球目のチェンジアップをスイング。鋭い打球だったが、惜しくも右翼正面に。7回裏の第5打席はパドレスに新加入した松井裕樹との日本人対決が実現。初球を振り抜いた打球は、またも右翼へ。ホームランの可能性を感じさせたが、打球はフェルナンド・タティースJr.のグラブに収まった。

試合は7回裏を終わり、12-9でパドレスがリードしている。

構成●THE DIGEST編集部

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