田中碧、攻守に存在感 電光石火の先制弾「決めるだけだった」

【日本―北朝鮮】先制ゴールを決めて喜ぶ田中(左から3人目)=国立(木田 亜紀彦写す)

 サッカーのワールドカップ(W杯)アジア2次予選は21日、国立競技場でB組第3戦が行われ、日本は北朝鮮を1―0で下した。前半に先制点を決めたのはドイツでも好調な田中碧(デュッセルドルフ)。類いまれ嗅覚で、振り返ってみれば唯一となる貴重なゴールを生んだ。

 開始2分、電光石火の一撃でヒーローの座をかっさらった。南野のシュートのこぼれ球を堂安が折り返し、走り込んだのは田中碧だ。「マイナスが空いていてそこに優しいパスをくれた。あとは決めるだけだった」。ダイレクトでゴール右にたたき込み、国立の大観衆を沸かせた。

 8強で終わったアジア・カップでは招集が見送られた守備的MF。「タフな戦いになるのは想像できるし、アウェーで勝てていないのも聞いている。覚悟を持ってやらなきゃいけない」との言葉通り、前半終了間際には長駆、左サイドを舞い戻ってカウンターの芽を摘むなど、攻守に存在感を示した。

 それでも、「自分たちで難しい試合にしてしまった」と反省も忘れない。平壌での第2戦へ向け「勝って反省できるのはポジティブなこと。より厳しい試合になるが、もっとやれると思うし、やらないといけない」と意気込んだ。

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