「言及は避けたい」平壌開催の中止を語らなかった北朝鮮代表監督、大声援の同胞には感謝「心臓の叫びが我々を鼓舞してくれた」

北朝鮮代表のシン・ヨンナム監督[写真:©超ワールドサッカー]

北朝鮮代表のシン・ヨンナム監督が日本代表戦を振り返った。

21日、2026北中米ワールドカップ アジア2次予選第3節で日本と北朝鮮が国立競技場で対戦した。

連勝スタートで首位に立つ日本と、1勝1敗で2位につける北朝鮮との対戦。互いのホームでの連戦となる中、試合は早々に動く。

2分、日本は左サイドから崩すもシュートはブロックされる。しかし、こぼれ球をボックス内右で拾った堂安律がクロス。これを田中碧がダイレクトで蹴り込み、日本があっという間に先制する。

その後は北朝鮮も立て直し、持ち前のハードな守備と、ロングボールをスペースに蹴り出しカウンターを狙っていくが、日本の前にゴールを奪えない。前半は日本が押し込んでいた中、後半に入って北朝鮮ペースに。一度はネットを揺らすが、直前のプレーがファウルとなりノーゴール。その後は日本の守備を崩し切れず、1-0で北朝鮮は敗れた。

試合を終え、シン・ヨンナム監督は記者会見に出席。「日本戦は両チームとも期待された戦いだったが、内容的にはとても良かったと思う。サッカーというのは勝つ時もあれば負ける時もあると思っている。今日の試合の経験を活かして、今後しっかり準備していきたい」とコメント。一定の手応えはあったが、結果を残念がった。

26日にはホームの平壌に日本を迎えての戦いとなる予定だったが、突然平壌での開催を拒否することに。開催地どころか、開催の有無も未定となった中、「今後のことは様子を見ていきたい。ここで言及することは避けたい。今後の流れ、成り行きについて注視してもらえればと思う」と言及しなかった。

2月のパリ・オリンピック アジア最終予選でなでしこジャパンと対戦した北朝鮮女子代表を応援すべく、3000人の同胞が集まったが、この日もスタンドは満員。大声援を送り続けてくれた。

シン・ヨンナム監督は「同胞の皆さんの前で良い結果を残したかったが、そうはならなかった。申し訳なく思う」と敗戦を謝罪。ただ「同胞の皆さんが我々と一緒に走るつもりで応援してくださったと言ってくれたが、同胞の皆さんの心臓の叫びが我々を鼓舞してくれた。結果は残念なものになったが、是非次戦を期待してもらいたい。次の戦いでは是非とも良い結果を残していきたいと思う」と、大きな後押しになっていたと感謝した。

また「次戦においても、本日同胞のみんなが送ってくれた声援がハートに来るものがあった。同胞の皆さんの思いを背負って、これから頑張り、次戦で良い結果を残したい」と、今回のサポートを胸に、しっかりと結果を求めていくと語った。

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