『ブレードランナー』M.エメット・ウォルシュが死去、享年88歳

米俳優M.エメット・ウォルシュが死去した。88歳だった。1982年に公開されたハリソン・フォード主演のSF映画『ブレードランナー』のブライアント警部役などで知られたウォルシュが、19日(火)、バーモント州セントオールバンズの病院で心不全により帰らぬ人となったことを故人のマネージャーが明かした。

ウォルシュは、60年以上に渡るキャリアを通し、100作以上の映画に出演、最近ではライアン・ジョンソン監督による2019年公開の殺人ミステリー映画『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』で高齢の警備員役を演じていた。

ジョンソン監督はXに、こう追悼の言葉を綴っている。「エメットは、撮影現場に2つのものを持って来た。彼の出演作リスト。小さな文字でシングルスペースの2列でタイプされたもので、現代の名作の数々がページ全体を埋め尽くしていた。2ドル札。彼は『使わなかったら、一文無しになることはないよ』と言いながらそれをクルー全員に配っていた。完全なるレジェンドだ」

ウォルシュは、コーエン兄弟が最初に手掛けた1984年作『ブラッド・シンプル』では、私立探偵ローレン・ヴィサー役を演じ、インディペンデント・スピリット・アワードで主演男優賞を受賞したほか、1979年作『天国から落ちた男』ではスティーブ・マーティンと共演した。2007年作『ビッグ・スタン』の監督でウォルシュと共演したロブ・シュナイダーは、追悼文をXに発表、「私が知る中で最も優れた俳優で人間の1人、M.エメット・ウォルシュが亡くなった。彼が語ってくれた様々な素晴らしい話、そして彼のキャリアを通して作った119本の映画で得た英知や演技の知識を惜しむことなく教えてくれたことを覚えている。私の友に神の祝福を」と故人を偲んでいる。

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