朝乃山勝ち越し王手 三役経験者の隆の勝、耐えて寄り切る

隆の勝(左)を攻める朝乃山。寄り切りで破る=エディオンアリーナ大阪

  ●今場所初の3連勝

 大相撲春場所(エディオンアリーナ大阪)12日目の21日、西前頭筆頭の朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)は、同3枚目の隆の勝(常盤山部屋)を寄り切って勝ち越しに王手をかけた。今場所初の3連勝で三役復帰に近づいたが「内容が悪い。そんな気分じゃない」と表情はさえず。集中力を高め、残り3番に挑む。

 朝乃山は三役経験者の隆の勝に粘られながらも最後は得意の形で寄り切った。攻防のある相撲に、会場から大きな歓声が上がった。

 朝乃山は相手の寄りをこらえると、右を差して優位な体勢をつくる。土俵際でこらえられても攻め手を緩めず、最後は左上手を引いて難敵を退けた。「止まったので上手を思い切ってがばっと取って、あとは引きつけて」と振り返った。

 思い描く形は「いろいろある」という。なかなかまわしを取れない内容に「当たってからの流れが悪い。上体だけで取ろうとしている。駄目」と目を閉じて反省の弁を繰り返した。

 疲労感なく体も動いているだけに、土俵の内容がともなわないことにもどかしさがある。13日目は小結阿炎(錣山部屋)との対戦が決まった。復帰してから2連勝中で、昨年九州場所も突き落としで下している。納得できない相撲でも白星をもぎ取り、三役を引き寄せる。

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