「内容的にはとても良かった」北朝鮮監督、日本に敗戦も手応え。同胞の大応援に感無量、遮ってまで…「次は良い結果を残す」と約束

3月21日に開催された北中米ワールドカップ・アジア2次予選で、日本代表と北朝鮮代表が国立競技場で対戦。ホームの前者が開始早々に田中碧が奪ったゴールを守り切り、1-0で接戦をモノにした。

北朝鮮のシン・ヨンナム監督は、敗れはしたものの、粘り強さを存分に発揮した内容に手応えを感じているようだ。試合後の会見で、5日後の再戦(開催地未定)に向け、ポジティブに決意を示した。

「両チームとも非常に期待されたなかで、内容的にはとても良かったと思う。サッカーは勝つ時もあれば負ける時もあるものだと思っているので、今日の試合の経験を活かして、今後しっかりとまた準備をしていきたい」

チームカラーの赤を身に付けたサポーターは、試合開始の1時間以上前から気持ちのこもった応援を見せ、選手たちを力強く後押しした。

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それを踏まえ、朝鮮新報の記者から「2つの心臓を1つに合わせ、お互いに肩を組み合って、選手たちと一緒に走っている気持ちで応援をしていました。そういった声援を送ってくれた同胞に対して一言お願いします」と振られた際には、語気を強め、次戦での勝利を約束した。

「同胞の皆さんの前で、良い結果を残したかったが、そうならず、大変申し訳なく思う。同胞の皆さんの心からの叫びは、私たちを非常に鼓舞してくれた。結果は残念なものになったが、是非次戦を期待してほしい。是非とも良い成果を上げて、皆さんを喜ばせたい」

と、ここで話は終わり、次の質問者の受付に入ったが、指揮官がハンズアップ。遮るようにして、こう付け加えた。

「皆さんが送ってくれた声援は、ハートにグッとくるものがあった。なので、同胞の皆さんの思いを私たちが背負って、これから一生懸命頑張って、是非とも次戦では良い結果を残したいと思う」

試合後、北朝鮮の選手たちが挨拶でスタンドに向かった際も、同胞たちは熱いエールを送っていた。最初から最後まで、彼らからは圧倒的な団結力を感じた。

取材・構成●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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