[ワールドカップ・アジア2次予選]日本 1−0 北朝鮮/3月21日/国立競技場
2026年のワールドカップに向けたアジア2次予選で日本代表はホームで北朝鮮と対戦し、1-0の勝利を収めた。
後半は北朝鮮に攻め込まれる時間が増えたが、試合開始すぐに田中碧が奪った1点を生かした形だ。
前半は優位に試合を進めながら、後半はあわやの場面を作られるなど難しい試合展開となった。森保一監督は74分にCB谷口彰悟を投入し、4-2-3-1から5-4-1のような形にシステムを変更。手堅く勝ち星を掴んだ。
課題は多く出たが、選手たちは口々に、未知の相手であった北朝鮮にワールドカップ予選で勝った意味を強調したのも印象深い。
そんな試合でベンチ前でひと際存在感を放ったのが、37歳での代表復帰を果たした長友佑都である。
15分辺りから席を立って味方を鼓舞した長友は、22分に菅原由勢が倒されて試合が止まると、すぐにCB板倉滉へ何やらアドバイス。
後半には自らアップゾーンへ行った時間を除き、立ち続けて、チームに熱を送り続けた。
次はアウェー・平壌での試合が予定されていたが、急遽白紙に。それでもベテランらしく力強く語る。
「気持ちは変わらないです。平壌で試合があったとしても、そのつもりで準備をしてきましたし、どこで試合をしようが今日出た課題を改善してやっていくだけです」
そして今後に向けてもこう口にした。
「後半、押し込まれる時間帯も結構あったので、そういう時こそ細かくラインを押し上げることが(必要で)、ちょっと疲労もあると思いますが、意識の問題でもあると感じます。相手がちょっとでもバックパスした時に、ラインを上げるとかチーム全体を押し上げるとか、そういった細かいことを突き詰めていけば、ああいう時間は減るんじゃないかと、僕は見ていました。
ディフェンスラインの選手たちも、上げるところは上げて、蹴ってきますが蹴ってくる時に良いポジションを構えていれば、上手く対応できるので後ろに下がることはやめようと話していました」
板倉滉は以前に「佑都くんに頼っているようじゃダメだと思いますし、これから日本代表を強くしていく上で、やっぱり自分たちの世代がっていう思いがすごく強い」と語っていたが、Jリーグでのパフォーマンスも評価されるなか、チームを盛り上げ、経験を還元する長友の役割は、今の森保ジャパンにとって改めて貴重であるように映った。
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)