秦野産「葉ニンニク」かながわブランド登録 栄養価高く、鳥獣被害対策にも

県を代表する野菜にと葉ニンニクをアピールする諸星会長=15日、秦野市菖蒲

 鳥獣被害対策として期待され、栄養価が高い秦野産の冬物野菜「はだの葉ニンニク」が「かながわブランド」に登録された。秦野市内で栽培を始めて9年目での成果に、関係者は「(登録で)今後の販売促進につながる。なじみの少ない野菜だけに、認知度が広がれば」と期待を寄せる。

 同ブランドは県内で生産される農畜産物や水産物、加工品などの認知度を高め、利用拡大を図るために制定。市農業協同組合によると、今年2月時点で足柄茶や高座豚など、72品目126点が登録されている。

 今回登録された葉ニンニクは極早生種の「ハーリック」で、9月中旬以降に植え付け、3カ月ほどで収穫できる。通常の球ニンニクの半分ほどの期間で出荷でき、軽量で運びやすいことから、高齢化が進む農家や女性でも栽培しやすいと注目を集めている。

 秦野市内では「JAはだの葉ニンニク研究会」の農家11人が標高が高く、気温が低めの菖蒲地区などで栽培。研究会設立当初から栽培をしている諸星一雄会長(78)はシカやイノシシの食害に悩まされる地域でも十分に育つという。「ニンニクの匂いのせいか、畑の周りまで来ても、中には入らないことが定点カメラで分かった」

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