横浜市/高速鉄道3号線延伸、早期事業着手へ調査・設計など深化

横浜市は2024年度、高速鉄道3号線延伸事業の早期着手に向けた調査・設計の深化や関係機関との協議・調整、行政手続きを進める。24年度予算案に事業推進費2億16百万円を計上した。関連業務委託の発注予定は4月ごろ公表する見通しだ。あざみ野駅(横浜市青葉区)~新百合ケ丘駅(川崎市麻生区)間の延長約6・5キロを結ぶ計画。概算事業費は約1720億円を見込む。30年の開業を目指す。
横浜市営地下鉄3号線(ブルーライン)「あざみ野~新百合ケ丘」間延伸事業の整備区間は、市営地下鉄あざみ野駅~小田急線新百合ケ丘駅。事業主体は横浜市交通局(第一種鉄道事業者)で、事業スキームは地下高速鉄道整備事業費補助を想定している。
20年1月に概略ルートと駅位置を選定している。4カ所設置する新駅は、横浜市域が青葉区内の「嶮山付近」と市境の「すすき野付近」、川崎市域が麻生区の「ヨネッティー王禅寺付近」と小田急線新百合ケ丘駅の「南口付近」。地下トンネル構造を基本に計画を詰める。
川崎市域を通るため、事業化に当たっては19年1月に2市が覚書を交わしている。2市は担当職員レベルで月1回程度の協議を続けている。構想以降、建設物価の高騰やコロナの影響による鉄道需要の減少など新たな課題が顕在化したことから、それらへの対応についても協議を進めていく。
延伸事業が完成すれば川崎市北部・多摩地域と新横浜・横浜が直接つながる。新幹線や羽田空港へのアクセスが飛躍的に向上。新駅周辺のまちづくりやターミナル駅の交通結節機能強化など沿線地域の活性化も期待できる。

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