戸田建設ら5社/複数ロボットを群管理・エレベーター連携も、実証で成果確認

戸田建設ら5社は20日、東京都江東区のLstay&growで機種・用途が異なるサービスロボットの群管理と人のエレベーター同乗連携を実証する複合実験を行った。ロボット3台が共通のロボット管理プラットフォームと連携し、通路や交差箇所を衝突せずに走行。他の移動支援サービスや電波環境構築技術も組み合わせ、エレベーターの乗り降りがスムーズに行えることも確認した。
現状は複数のロボットを建物内で運用する場合、通路やエレベーターで衝突などを防ぐルールがない。電波が届かないエレベーター内のロボット制御や建物全体で位置情報を一元化し把握・管理するユースケースもなく、課題解決に向けた共同実証を重ねてきた。
複合実証実験ではZMP(東京都文京区、谷口恒社長)の宅配ロボット、ALSOKの警備・案内ロボット、オカムラの清掃ロボットを使用。ZMPが提供するロボット管理プラットフォーム「ROBO-HI(ロボハイ)」が3台をコントロールし、通路のすれ違い走行などを実現した。
エレベーター使用時にロボットが順番に乗り降りできるよう、ロボハイを通じて三菱電機ビルソリューションズのロボット移動支援サービスとも連携。エレベーター内では戸田建設が開発した「ウェーブガイドLANシステム」で電波を供給しロボットの制御状況を確認した。
戸田建設イノベーション推進統轄部新技術・事業化推進部の黒瀬義機部長は「ロボット活用の需要に対し、空間的にも最適な運用環境を提案できるサービスが強みだ」と強調。実証実験を踏まえ「今後は積極的にサービスを展開し、業界のリーディングカンパニーを目指す」と力を込めた。
戸田守道執行役員副社長イノベーション本部長は「一日も早くロボットが社会や生活の中を普通に稼働している時代が来るよう、引き続き努力していきたい」と語った。

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