JFEエンジニアリング/洋上風力施設のモノパイル工場が完成、国産可能に

JFEエンジニアリングが洋上風力分野で攻勢をかける。岡山県笠岡市に着床式洋上風力発電施設のモノパイル(基礎構造物)製造拠点が完成。最大で厚さ130ミリ、直径12メートルの単管を製造できる装置「ベンディングローラー」などを備える。製造能力は重量ベースで年間10万トン。日本で初めてのモノパイル工場だ。大下元社長は「世界最高の技術によるモノパイル製造技術を確立した。国産モノパイル製造の期待に応える」と意気込みを語った。=1面参照
同日現地で竣工式が開かれ、JFEホールディングス(HD)の柿木厚司社長、JFEエンジニアリングの大下社長、岡山県の伊原木隆太知事、工場の設計・施工を担当した鹿島の押味至一代表取締役会長など関係者約200人が出席。テープカットで工場の完成を祝った。ベンディングローラーを使った鋼板加工のデモンストレーションなども行われた。
工場は約20ヘクタールの広さ。鋼板を単管に加工する素管工場、研掃・塗装工場、モノパイルの保管エリアなどで構成する。このうちメイン工場の素管工場には板状の鋼板を筒状に折り曲げるベンディングローラーや継ぎ目の溶接装置、フランジの取り付け・仕上げ装置などを備えた。素管工場で単管をつくり、単管をつなげてモノパイルを製造する。
工場は瀬戸内海に面しており、完成したモノパイルはモジュール船で現場に輸送する。トランジションピース素管は津製作所(津市)に海上輸送し、2次部材や内装品を設置して完成品に仕上げる。完成品は、津製作所から建設地へ海上輸送する。JFEエンジニアリングはモノパイル工場の建設に当たり、津製作所の設備増強を含め約400億円を投資した。

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