経産省/生コンJISを5年ぶり改正、リサイクル材・低環境負荷材の活用促進

経済産業省は21日、生コンクリートのJISを5年ぶりに改正したと発表した。官民の発注者や建設会社などさまざまな利害関係者からの要望を踏まえ、新たに生コンの製造過程で使用可能な材料として鉄鋼や石炭といった他産業から発生した副産物を追加。二酸化炭素(CO2)排出量が少ない低環境負荷材の活用促進に向け製造・計量方法を緩和する。
改正項目は▽リサイクル材の活用及び低環境負荷材料の製造・計量方法の緩和▽検査方法の合理化▽電子化による情報提供の合理化・効率化▽材料の受け入れ検査方法の簡素化▽戻りコンクリートを使用しない手順の明確化-の五つ。
リサイクル材の活用及び低環境負荷材料の製造・計量方法の緩和では、新たに使用可能なリサイクル材として、石炭火力発電所の副産物である石炭灰をガス化炉内で溶融して製造した「石炭ガス化スラグ骨材」と、火山灰を選別・分級・粉砕して製造した「火山ガラス微粉末」を追加。省CO2効果があるとして、普通セメントとスラグ微粉末を混合したセメントの混合使用や、石炭火力発電所の副産物である灰を原料にした「フライアッシュ」の製造方法や計量方法も一部緩和した。
検査方法も合理化し、強度試験の試料採取可能場所拡大や強度試験時の廃棄試料量削減、試料の採取前ドラムの回転速度緩和などで対応。書面での取り扱いが求められた購入者に提出する配合計画書や納入書などの電子化も認める。
JISマーク品の骨材を使用する際の受け入れ検査も大幅に合理化。従来行われていた骨材製造業者らが発行する試験成績表の定期的な確認に代わり、「JISマーク」などの確認で済むようにした。一方、戻りコンクリを使用しない手順として、運搬車にコンクリが残っていないことなど確認することを定めた。

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