60代剣士が呼吸停止…救命講座を受けたばかりの中学生が救う 群馬・桐生市 5人に感謝状

感謝状を手にする(左から)福沢沙織さん、福沢一后さん、金子さん、深谷さん、石関さん

 剣道の練習中に倒れた60代男性を救護し人命を救ったとして、桐生市は21日、桐生広沢中2年の福沢一后(いちご)さん(14)ら5人に感謝状を贈った。心肺蘇生に関する市の出前講座を受けたばかりだった福沢さんは「知識が生きて対応できた」と振り返った。

 他に荒木恵司市長から感謝状を受け取ったのはいずれも市内在住の石関雅弘さん(51)、金子晴重さん(52)、深谷哲之さん(46)、福沢さんの母親の沙織さん(39)。5人は剣道や空手の練習などで、60代男性が倒れた広沢小体育館にいた。

 男性は2月26日午後8時ごろに倒れ、呼吸が止まっていたという。石関さんが男性の防具を外し、深谷さんが心臓マッサージをした。

 同22日に講座を受けていた福沢さんは小学校の玄関にある自動体外式除細動器(AED)を運んできて、電極パッドを貼り付けるなど的確に対応。金子さんがAEDで電気ショックを与えると、男性は呼吸が再開し、意識が回復した。

 深谷さんと金子さんは「やらなければと思い、一生懸命だった」と話し、119番通報した福沢沙織さんは「何とか冷静に対応できた」と振り返った。石関さんは「もしもに備え、対応をさらに学びたい」と述べた。

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