あわら温泉の6階建て廃旅館解体に公費2000万円を補助 市、4月中旬にも工事開始予定

福井県あわら市の補助金を使って解体される「角惣」=同市内

 2010年に経営が行き詰まり、廃旅館となっていた福井県あわら市の「角惣」の解体に、市が2千万円を補助することが3月21日分かった。工事は4月中旬にも始まる予定。建物は、えちぜん鉄道あわら湯のまち駅近くにあることから、市は北陸新幹線県内開業で増加する観光客へのイメージダウンを払拭(ふっしょく)したいとしている。

 閉館後、市に対し地元住民らから「なんとかしてほしい」などと要望があったという。市は22年に倒壊の危険などがある「特定空き家」に認定した。1969年に建てられ、鉄筋コンクリート6階建て、延べ床面積約1440平方メートル。建物は「ホテルゆらく」(同市)が所有している。

 工事は5月中に終了する見通し。駐車場として利用されるもよう。

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 解体見積額3751万円のうち、市は特例で「旧角惣旅館除却支援補助金」2千万円を用意。国と県の補助金活用により、市の実質負担は972万5千円となる。24年度一般会計当初予算案に2千万円を盛り込み、21日に再開した本会議で可決された。

 市の担当者は「あわら温泉街の顔となる場所。観光客が増えるとみられるので、解体できるのは喜ばしい」としている。

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