佐野勇斗&吉川愛がユニークなラブコメの魅力を語り尽くす!「僕の愛しい妖怪ガールフレンド」【インタビュー】

アメリカの脚本家が日本独自の文化である“オタク”と“妖怪”をテーマに書き下ろしたAmazon Originalドラマ「僕の愛しい妖怪ガールフレンド」が、本日3月22日からPrime Videoで世界独占配信。本作で、人間と妖怪の異色カップルを演じた佐野勇斗吉川愛に話を聞いた。

「僕の愛しい妖怪ガールフレンド」は、ゲーム好きのさえない男子大学生・ハチこと犬飼忠士(佐野)と、ある人間一族への復讐(ふくしゅう)という使命を負う妖狐・イジー(吉川)の奇妙な恋愛関係を描いた新感覚のバトルアクション・ラブコメディー。「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」(2016年)、「今夜、世界からこの恋が消えても」(22年)など、数々の青春恋愛映画を手掛けてきた三木孝浩氏が監督を務める。

――まず、出演が決まった時の気持ちを聞かせてください。

佐野 「アメリカ人の方が書いた脚本という点がまず新鮮ですし、“妖怪と恋する”という設定も僕が知る限りでは初めてだったので、素直に面白そうだなと思いました」

吉川 「私はまず、自分が妖怪役ということに驚きました。しかも、台本を読んでいくうちにアクションがあることに気が付いて…。私、体を動かすスポーツって全く経験がないんですよ」

佐野 「へえー、そうだったんだ?」

吉川 「そうなんです。だから、私にできるのかどうか、不安要素しかなくて。大丈夫かな、この先うまくできるのかなってすごく悩みました。アクションがうまくて妖怪役が似合いそうな人って、きっとたくさんいらっしゃるじゃないですか? だから、最初は不安しかなかったです」

佐野 「“妖怪が似合いそうな人”って…(笑)」

――(笑)。ワクワクはしませんでしたか?

吉川 「脚本を読ませていただいてすごく面白かったので、“どんな作品になるんだろう?”というワクワクはもちろんありました。コメディー要素がところどころに入ってくるから、クスッと笑えるところもありますし。でも、アクションに関しては、自分が実際に動いている姿が全く想像できなくて、不安の方が大きかったです」

――撮影に入る前に、何か準備はされたのですか?

吉川 「アクション練習が何日かありました。ついていくことに必死で、どんな練習をしていたのか、詳しくはよく覚えていないんですけど…」

佐野 「結構本格的なアクションだったもんね。見ていてすごいなって思いましたよ。あんなに動けると思ってなかったし(笑)」

吉川 「自分でも映像を見て思いました。私、最後までよくやりきったなって(笑)」

――実際にアクションを演じている時は、どんな気持ちだったのでしょうか?

吉川 「頭の中は手順のことだけでいっぱいいっぱいでした。バスの上で戦うシーンがあるのですが、その時は本物のバスの上で撮ったんです」

佐野 「えっ、そうだったの?」

吉川 「セットの中に本物のバスを入れて、その上で戦っていました」

――バスとはいえ、屋根の上って結構狭そうですよね。

吉川 「狭いのもそうですが、黒い衣装だったので、バスの上で膝をつくと白く汚れてしまうんです。それを避けるために膝をつかないように意識していたら、変な力が入ってしまって。撮影用の刀は鉄で作られているので当たると痛いですし、装飾の部分が壊れやすいので、力を入れすぎないように、手順を間違えないように、何回も何回も練習しました」

――事前に数話拝見しましたが、吉川さんのアクションがとても格好よかったです! やり切ったことで少しは自信がついたのでは?

吉川 「自信はないですが、前よりは確実に動けるようになったと思います」

佐野 「“アクションできます!”って、もっとアピールしたらいいのに」

吉川 「いやいや(笑)。とんでもないです」

――もしかして、佐野さんはアクションをやりたいタイプですか?

佐野 「めちゃくちゃやりたいです! 僕は体を動かすことが大好きなので」

――今回もそうですが、佐野さんは割と受け身の芝居が多い印象があります。

佐野 「そうなんですよ。なぜか受け身の芝居が多くて、やられる方が多い。ひどい時は殺されちゃうし、今回も最初から最後までやられっぱなしでした(笑)。だから、カッコいいアクションシーンがある人がうらやましいです」

――役づくりで意識したことはありますか?

佐野 「ちょっと難しかったのが、ハチはオタクキャラではあるんですけど、物語の世界観が衣装とかも含めて、割とおしゃれなので、あまりオタクな感じがしなくて。僕の中のハチは、ちょっとさえない、いじられキャラっていうイメージ。そこを普通にやっちゃうとオタクじゃないし…。何となく情けない感じを出す、そのバランスが難しかったです」

――佐野さんから見て、ハチはどんな男の子ですか?

佐野 「世の中の男性って、ちょっといいなと思う子がいても告白しなかったり、できなかったりするじゃないですか。でもハチは、イジーが現れたことで、それまでの自分を変えたいと思って、告白までできるようになる。さえないようで、いざ決心したら思い切りがよくてカッコいいと思いました」

――吉川さん演じる妖怪のイジーも、とてもチャーミングなキャラクターですよね。

吉川 「そうですね。最初の頃のイジーは、目標を達成するためには人を殺すこともいとわない。彼女にとっては当たり前のことなのに、ハチに『それは間違ってる』と言われてしまうんです。自分にとっての常識を否定されたら普通はなかなか受け入れがたいと思うのですが、相手がハチだったからこそ、彼女なりに努力しようとする。そんなかわいらしいところもイジーの魅力だと思います」

――撮影を振り返って、特に思い出に残っていることがあれば教えてください。

佐野 「ハチとイジーとタヌキ(田貫R世凪/アントニー)の3人が初めて一緒に会うシーンがあって、それが確かファミリーレストランだったんですけど、そこでお互い打ち解けたのを覚えてます。現場ではみんな結構仲良かったよね?」

吉川 「うん。すごく楽しかった!」

佐野 「撮影スケジュールもそんなにタイトじゃなかったし、周りの人もみんな穏やかな方ばかりですごく楽しかったです。普段のドラマ撮影に比べるとかなり余裕があったので、時間がある時は観光に行ったりしました」

――撮影は京都だったそうですが、どちらへ行かれたのですか?

佐野 「金閣寺、清水寺、あとは八坂神社にも行きました。現場から近い場所は結構行ったと思うけど、名前が出てこない…(笑)」

吉川 「私は東本願寺によく行っていました。東本願寺には靴を脱いで上がれる場所があるので、時間に余裕がある時はそこに行ってボーッとしたり、母親とテレビ電話をして留守番中の愛犬の様子を見せてもらったりして、癒やしの時間を過ごしていました」

――いよいよ配信開始ですが、完成作はご覧になりましたか?

佐野 「見ました! 普段、自分が出演している作品はあまり客観的に見られないんですけど、今回はCGとか、撮影現場では分からなかった要素が多かったので、そこへの驚きもあって、いつもより客観的に見ることができました」

――そうなんですね! グリーンバックで撮影するシーンが多かったと聞きました。

佐野 「はい。完成形が分からない状態でポーズを取っていることもあったので、そのシーンを見て、“おー、こんなふうになったのか!”みたいな」

――吉川さんはいかがですか?

吉川 「ストーリーはすごく面白かったのですが、自分自身にフォーカスを当てると、“もっとこうすればよかった”“ああすればよかった”とか、そんなことばかり考えてしまって…。妖怪って何が正解か分からないじゃないですか? だから、声のトーンはあんな感じでよかったのかな、とか。あと、私はあまり姿勢がよくないので、特に意識して頑張ったつもりだったのですが、たまに姿勢が悪い姿の時があって。“気が抜けてるぞ”って自分にツッコミを入れながら見ていました」

佐野 「え、そう? 全然気付かなかったけどな。イジー、カッコよかったよ」

――では、最後にあらためて、作品の見どころとメッセージをそれぞれお願いします。

佐野 「僕は特にCGのシーンが好きです。イジーって魅力的だし、カッコいいし、かわいいし、ちょっとツンデレな感じも含めて、すごい人気キャラになりそうだなって思いました。ハチのようなさえないキャラと恋愛する感じの対比も面白いし。あと、海外の方が脚本を書かれたので、結構テイストがアメリカンなところがあるんですよ。日本ではなかなかないような、派手なホームパーティーのシーンとか。そういう和洋折衷な世界観もぜひ楽しんでください!」

吉川 「私はとにかくアクションを頑張りました! 撮影したのが秋から冬で、すごく寒かったのですが、本当によく頑張ったなと思っているので、じっくり見ていただけるとうれしいです。あと、イジーはそうそうたるメンバーとの闘いがありますので、そちらも楽しみにしていただきたいです」

佐野 「えっ、誰? 俺にも内緒?(笑)」

◆2人は水曜日のカンパネラが歌う主題歌「たまものまえ」にドハマり!

佐野 「主題歌がまたすごくいいんですよね。水曜日のカンパネラさんが書き下ろしてくださった『たまものまえ』。本編を見た時、僕は毎回、全部飛ばさずに聴きました。聴きたくなるんですよね」

吉川 「私は仕事の合間に見させていただいたのですが、気がついたら口ずさんでいました。“コンココン♪”って」

佐野 「かわいいよね、すごく癖になる!」

吉川 「うん。私が聴いてすぐに口ずさめてしまうってことは、ほかの人にとってもそうなんだろうなって。しかも、ドラマの内容に合わせて作ってくださったと思うと、聴いていてワクワクするというか。すごいな、うれしいなって思いました」

【プロフィール】

佐野勇斗(さの はやと)
1998年3月23日生まれ。愛知県出身。2015年に映画「くちびるに歌を」で俳優デビュー。最近では、劇場版「TOKYO MER〜走る緊急救命室〜」(23年)、「トリリオンゲーム」(TBS系)などの話題作に多数出演。24年度後期のNHK連続テレビ小説「おむすび」に出演することが決定している。5人組ボーカルダンスユニット・M!LKのメンバーとしても活動中。


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吉川愛__(よしかわ あい)
1999年10月28日生まれ。東京都出身。2005年に「爽健美茶」のCMでデビュー。映画「ハニーレモンソーダ」(21年)で、「第45回日本アカデミー賞」新人俳優賞を受賞。ディズニーアニメーション映画「ラーヤと龍の王国」(21年)では、プリンセス・ラーヤの日本語吹き替えに挑戦した。そのほか、主な出演作に、映画「虹色デイズ」(18年)、「十二人の死にたい子どもたち」(19年)、連続テレビ小説「おちょやん」(NHK)、「真夏のシンデレラ」(フジテレビ系)、「マルス−ゼロの革命−」(テレビ朝日系)などがある。

【番組情報】

Amazon Original「僕の愛しい妖怪ガールフレンド」
Prime Videoで独占配信中

彼女が欲しくて仕方ないゲームオタクの犬飼忠士、通称・ハチ(佐野勇斗)は、ひょんなことから風貌もしゃべり方も一風変わった美しい女性・イジー(吉川愛)に出会う。ある日、ハチはイジーに肉体的な関係を強く迫られ、思わず“男女の契り”を結んでしまう。実は、イジーはある人間一族へ復讐(ふくしゅう)を使命に、500年の歳月を超えて現れた妖怪で、男性と体の関係を持つことでしか生き延びるエネルギーを得られないのだった。復讐のためなら殺人もいとわないイジーにおびえながらも、なんとか穏便に問題を解説しようと奮闘するハチだが、自身はもちろん周りの人々がイジーの復讐劇にどんどん巻き込まれていく。

取材/TVガイドWeb編集部、オカムラユリ 文/オカムラユリ 撮影/尾崎篤志
ヘアメーク/望月光(ONTASTE)[佐野]、窪田健吾(aiutare)[吉川]
スタイリング/伊藤省吾(sitor)[佐野]、山田莉樹[吉川]

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