うどん味わい心も温か 砺波・栴檀山の地域食堂、避難者招き交流

地域食堂コスモスカフェで温かなうどんを味わう石川県からの避難者ら

 富山県砺波市栴檀山(せんだんやま)地区の地域食堂「コスモスカフェ」は21日、能登半島地震で被災して同地区の夢の平コスモス荘に2次避難している石川県の人たち8人を招いて地区住民と交流した。

 コスモスカフェは高齢化率が5割を超える栴檀山地区で高齢者の孤独を防ごうと、2023年3月に栴檀山農村集落センターにオープン。地元女性7人が毎週木曜にうどん1杯を100円で提供し、お年寄りらが集まって親睦を深めている。避難生活では買い物以外に外出機会が少ないと聞き、地区住民の交流の場に招くことにした。

 コスモス荘に避難している石川県の珠洲市と能登町の3家族8人が温かなうどんを味わい、光圓寺(砺波市久泉)の平田淳僧侶の法話に聞き入る人もいた。栴檀山自治振興会の前田幸雄会長から「ここで和んでいってもらいたい」とねぎらいの言葉をかけられ、参加した地区住民たちとも触れ合った。

 能登町から2月29日にドイツ人の夫、グルトリンゲル・フランシス・カールさん(43)と娘の澪凪(れいな)ちゃん(2)と一緒に避難してきた佳澄さん(30)は「お世話になった地区の集まりに参加できてうれしい」と話した。近く能登町に戻り、損壊した自宅を改修しゲストハウスを開く準備を進める意向で「砺波でゆっくりと休めてすごく助かった」と振り返った。

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