ファン切望!『ONE PIECE』ヤマト「麦わらの一味」のメンバーに? 連載の扉絵登場で高まる期待

※本稿は『ONE PIECE』最新話までの内容を含みます。ネタバレにご注意ください。

『ONE PIECE』で最近まで描かれていた「ワノ国編」では、ヤマトが「麦わらの一味」のメンバーに加わるかどうかについて、さまざまな説が飛び交っていた。結局は“再会を誓って別れる”という結末を迎えることになり、仲間入りを絶望視されているところだったが、ここにきて大逆転の可能性が生まれているようだ。

ヤマトのファンたちが盛り上がっているのは、3月18日発売の『週刊少年ジャンプ』16号(集英社)に掲載された扉絵の内容がきっかけ。そこでは「鬼の子ヤマトの金稲荷代参」と題して、光月おでんのようにワノ国を漫遊することを宣言するヤマトの姿が描かれていた。

元々『ONE PIECE』では「短期集中表紙連載」という形で、各話の扉絵を使ってさまざまなキャラクターの物語が断片的に綴られてきた。「鬼の子ヤマトの金稲荷代参」はその第26弾にあたり、今後しばらくはヤマトの冒険が描き出されることになりそうだ。

ところで「短期集中表紙連載」で主役となったキャラクターは、その後本編で再登場を果たす……というジンクスがあることをご存じだろうか。バギーやはっちゃん、ワポルなど、扉絵の主役に選ばれたキャラクターたちは、ほとんどが思わぬ形で本編に復活しているのだ。なにより「麦わらの一味」において9人目の仲間となったジンベエも、仲間入りする前に「ジンベエの海侠一人旅」で主役を務めていた。

そんなジンクスから、「鬼の子ヤマトの金稲荷代参」をヤマトが再登場するフラグとして捉えた上で、「麦わらの一味」への加入を予想する読者が相次いでいるようだ。

そもそも「ワノ国編」を読めば分かる通り、ヤマトは「麦わらの一味」加入にもっとも近づいたキャラクターの1人だった。ルフィはもちろん、ほかの面々からも仲間入りを認められていたが、海軍本部大将・緑牛がワノ国を襲撃したことを受け、国の人々を守るために直前で出発を取りやめたのだった。

逆にワノ国の安全が確保されないかぎり、ヤマトが海に旅立つことは難しそうなのだが、このあたりも扉絵で新たな展開が描かれるのかもしれない。

なぜヤマトは仲間入りを期待されているのか

扉絵で何が起きるかはともかく、これまで本編ではヤマトの「麦わらの一味」加入を示唆する描写がいくつも描かれてきた。

まずルフィは基本的に他人の名前を覚えるつもりがなく、ほとんどの人物に「〇〇のおっさん」といった独特のあだ名をつけて呼んでいる。その例外が「麦わらの一味」だ。たとえばフランキーのことは当初「海水パンツ」というあだ名で呼んでいたが、仲間になった後は本名で呼ぶようになっている。

ヤマトに関しても、出会った頃には「ヤマ男」とあだ名をつけていたが、カイドウとの死闘を経て、本名呼びへと変わっていた。こうしたルフィとの関係性の変化は、たしかに仲間入りを予告する描写のようにも見える。ただ、ビビやハンコックなど、“仲間意識はあるが船員ではない”キャラクターも本名で呼ばれているため、これだけで仲間入り確定と主張するのは難しいだろう。

他方で、ヤマトがおでんの人生をなぞっていることも1つの布石と考えられる。おでんの旅はワノ国の放浪から始まり、その後半ば無理やり「白ひげ海賊団」についていき、「ロジャー海賊団」に加入したという流れだ。だとすると扉絵ではヤマトがワノ国を漫遊した後、何らかのきっかけで海に出るところまでが描かれるのかもしれない。

さらにおでんといえば、生涯にわたって自分の見聞きしたものを航海日誌としてまとめていたことで知られる。これは言い換えると、海賊団において“記録係”の役を担っていたということになるだろう。現在の「麦わらの一味」ではほとんどの役職が埋まっているものの、記録係は空席となっているので、ヤマトがおでんのように航海日誌を付けるポジションで加わる未来は容易に想像できる。実際にヤマトはおでんの航海日誌を聖書(バイブル)と公言し、彼の意志を継ぐことに使命感を燃やしていた。

しかもこの航海日誌はもっとも重要なページが破り捨てられており、旅の終着点である「ラフテル」での出来事が一切分からないようになっていた。いかにもヤマトが旅に出る理由として、おあつらえ向きではないだろうか。

ヤマトが「麦わらの一味」のクルーとして旅する未来はあるのかどうか……。ひとまずは扉絵連載の行方に注目だ。

(文=キットゥン希美)

© 株式会社blueprint