競泳のパリ五輪代表選考会第5日は21日、東京アクアティクスセンターで行われ、男子200メートルバタフライ決勝で寺田拓未(ミキハウス、湯本高卒)は1分55秒45で4位にとどまり、パリ五輪出場を逃した。「いいところがなかった。自信はあったが、実力がなかった」。ゴーグルを外すと、電光掲示板を確かめるように見つめ、大きく一息ついた後に顔をゆがませた。
最後の50メートルが勝負を分けた。150メートルまでは派遣標準記録を突破するペースで2位と0秒56差の3番手につけたが、最後に持ち味の粘りが出なかった。「言い訳にはしたくないが、2月に左足を痛めた影響でキックが少しきつかった」。伸びを欠くと4番手にいた瀬戸大也にもまくられてフィニッシュし「素直にラストはきつかった」と漏らした。
目標としてきたパリ五輪出場に届かなかった結果を「最後の最後で(力を)出し切れなかった。自分の弱いところ」と受け止めた。今後については「パリ五輪に絶対に行くことだけを考えてきたので、この先のことは何も考えていない」と白紙を強調した。
ただ、23日からの男子100メートルバタフライには出場する予定で「代表は厳しいが、自己ベストを出して、次につながる形になったところで今後のことを決めたい」と語った。