FDICが大型銀行合併の指針改定案、合計資産1000億ドル超対象

Douglas Gillison

[21日 ロイター] - 米連邦預金保険公社(FDIC)理事会は21日、合計資産1000億ドル超えにつながる銀行合併に関するガイドライン改定案を公表し、関係者から60日間意見を募集することを賛成多数で決定した。実現すれば16年ぶりの改定となる。

改定案が重視するのは銀行セクターの安定維持で、こうした大規模合併についてFDICが特別に監視の目を光らせることが盛り込まれている。また当該案件で誕生する新銀行が金融システムをさらに複雑化させないかどうかも点検する。

昨年春にシリコンバレー銀行などの経営が破綻した結果として行われた合併により、FDICの預金保険基金が多額の損失を計上したことを受け、銀行業界の合併や再編に厳しい視線が向けられるようになっていることが背景だ。

FDICのグルエンバーグ総裁は理事会に先立って「2023年の銀行破綻は、1000億ドル超の銀行が金融安定にもたらす可能性があるさまざまなリスクを浮き彫りにした」と述べた。

ただ理事会では改定案に2人のメンバーが反対。その1人で共和党のジョナサン・マカーナン氏は、既存の大手行に対する新たな競争相手が生まれるのを阻害し、そうした大手行を規制で守るという意図しない結果が生じかねないと主張した。

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