フランス代表のラマダン期間中の断食禁止の新規則が波紋…U-19選手が招集辞退

U-19フランス代表の招集を辞退したディアワラ[写真:Getty Images]

フランスサッカー連盟(FFF)が新たに設定した、代表活動中のラマダン期間の断食を禁じる規則が波紋を呼んでいる。『ESPN』が報じている。

FFFのフィリップ・ディアロ会長は21日、フランス『Le Figaro』のインタビューで、フランス代表のムスリム選手たちのラマダン断食に関する新たな規則を制定したことを明かした。その中で「中立の原則」が組織の設立規定に書かれていると主張し、 この措置は「宗教がアスリートに干渉しないことを保証する」ものであるとした。

新しいFFF規則では、フランス代表チームに招集された選手はラマダン期間中は断食できないと規定されており、代わりにムスリム選手たちはチームの組織と運営の通常のリズムに従うことが求められている。

3月10日から11日にかけて始まり、4月10日頃に終わると見込まれているラマダン期間中のムスリム選手たちは、同国のクレールフォンテーヌの練習拠点にいる間断食することができず、ラマダン期間の終わりに断食日を埋め合わせなければならない。

そして、U-16代表のリオネル・ルクセル監督からA代表のディディエ・デシャン監督まで、各世代のフランス代表チームの監督は全員、今回の代表活動開始時に選手たちにその旨を伝えたという。

ただ、ESPNの取材に対して、各年代の選手たちの代理人は「一部のプレーヤーはこの決定に満足していない」と回答。さらに「彼らは自分たちの宗教が尊重されておらず、自分たちも尊重されていないと信じている」と、今回の新規定がムスリム選手の反発を呼んでいると語っている。

なお、U-19フランス代表に招集されていたリヨンのMFマハマドゥ・ディアワラは、今回の新規定に納得がいかず、代表辞退を決断。FFFはその経緯について言及はしていないが、ディアワラの所属クラブ帰還と共にナントのMFデマン・アスマニの追加招集を発表している。

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