プロテストトップ合格の18歳 清本美波を悩ませるウェッジ“ロフト戦略”

清本美波の14本をチェック(撮影/服部謙二郎)

昨年の最終プロテストをトップで合格した清本美波。プロデビュー戦を今週のレギュラーツアー「アクサレディス」(22日開幕/宮崎・UMKCC)で迎える。クラブ契約はアマチュア時代からお世話になっていたテーラーメイドを選んだ。キャディバッグに入るその14本の内訳と、戦略を聞いてみた。

Qi10 LSに24ベンタスブルー(撮影/服部謙二郎)

ドライバーは「低スピンのヘッドを自分で操作するのが好き」と、女子プロにしては珍しい好みをみせる。元々使用していた「ステルス2」も低スピンモデルの「プラス」を使っていたが、今回も新しい「Qi10 LS」をチョイスした。「新しいLSを試して結構“ビタッ”って自分の中できたんで、『もう、これで』ってお願いしました」と、スタンダードモデルやMAXは試しもしなかったという。シャフトには藤倉コンポジットの最新シャフト「24 VENTUS BLUE」(5S)を挿した。現行モデルよりも青が淡くなった色味をしており、手元調子系の中でも少しマイルドな味付けだという。

人気の中空P790へ(撮影/服部謙二郎)

アイアンは、元々「ステルス グローレ」を使っていたが、「プロになったんだからもうちょっと大人っぽいクラブに」との助言を受け、「テーラー本社の試打室にたまたま置いてあった」という中空モデルの「P790」(2021)へ。「アイアンが飛ばなかったのでグローレを使っていたんですが、こっち(P790)でも距離が出てグリーンで止まってくれる。ほどよく球も上がる」と一発で気に入った。たまたま出会ったそのアイアンは標準よりも少しロフトを寝かせた設定にしてあったが、そのままバッグイン。

サンドウェッジは56度(撮影/服部謙二郎)

ウェッジは「MG4」をチョイス。サンドウェッジのロフトは「56度」を選んだ。「珍しいねってよく言われます。56度のフルショットが85ydぐらいで、けっこう武器になる距離だから外せないんですよ」。56度で80yd以内のコントロールショットを打つことがあれば、グリーン周りからも寄せるほどで、「めっちゃ大事なクラブなんです」と清本。「でもことしから指導してもらっている永井コーチ(永井直樹氏)には、プロのグリーンなら58度のほうがいいよっと言われているので、今は58度も試してはいるんです」という。

仮に58度を投入する場合は、現在の14本から何を抜くのか。「そうなりますよね(笑)。56度は絶対入れておきたいし、自分のドライバーの距離だとUTの距離が結構残るので、その辺りも厚くしておきたい。48度がいらないかな。ピー(PW)とかとあまり(飛距離が)変わらないし。そうなると52、56、58かぁ…」と思い悩む。

現状は「48、52、56」というウェッジのロフトピッチだが、「50、54、58」の線も視野に入れていると言い、「58を入れるならそのプランが濃厚かな」と話す。お気に入りの56度を残して60度を入れる「52、56、60」というプランもありそうだが。「60度ですか。考えたこともなかったですね。上げるアプローチはあまり好きじゃなくて。グリーン周りはどこでも転がして、ワンクッションなんですよ」。悩んでいるようで、どこかうれしそうに解説する清本。まだ高校を卒業したばかりの18歳。アプローチのバリエーションもこれから増えていくだろう。

プロの試合を戦っていく中で、清本のクラブがどのように変わっていくのか。定期的にチェックしておきたい。

<清本美波のクラブセッティング>

クラブ契約はテーラーメイドを選んだ(撮影/服部謙二郎)

ドライバー:テーラーメイド Qi10 LS(10.5度)
シャフト:藤倉コンポジット 24 VENTUS BLUE(ベンタスブルー)(重さ50g台、硬さS)

フェアウェイウッド:テーラーメイド Qi10(3番15度、5番18度)
シャフト:藤倉コンポジット SPEEDER NX GREEN(重さ50g台、硬さS)

ユーティリティ:テーラーメイド Qi10レスキュー(4番22度、5番25度)
シャフト:藤倉コンポジット VENTUS HYBRID(重さ70g台、硬さS)

アイアン:テーラーメイド P790 2021モデル(6番-PW)
シャフト:日本シャフト NSプロ 850GH neo(硬さR)

ウェッジ:テーラーメイド MG4 (48、52、56度)
シャフト:日本シャフト NSプロ 850GH neo(硬さR)

パター:テーラーメイド スパイダーツアーX トラス TM1

ボール:テーラーメイド TP5(2021年モデル)

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