独自ブランドのシイタケで調味料を開発 宇佐市の松重さん「豊かな風味楽しんで」【大分県】

ペースト状にした調味料トヨチーニペースト
こだわりのトヨチーニの調味料を作った松重拓志さん=宇佐市安心院町古川
松重拓志さんが作った「トヨチーニ」

 【宇佐】宇佐市安心院町古川の原木シイタケ生産者、松重拓志さん(46)は、独自ブランドのシイタケをペースト状にした調味料「トヨチーニペースト」を商品化した。肉料理などのソースや温野菜に付けるのがお勧めという。4月から販売を予定。「特徴の豊かな風味と深いうまみを調味料でも味わえるようにした」と話している。

 松重さんは県内の農業法人などで働いていた際、原木シイタケの味に引かれ、30歳ごろから栽培を始めた。ベテラン生産者に教わりながら技術を磨き、第64回全国乾椎茸品評会(2016年)では、こうこの部で最高の農林水産大臣賞を受賞した。

 市場の規格に合わせたシイタケだけでなく、付加価値の高い独自の商品作りを追究。じっくり菌を行き渡らせて熟成させた原木を使い、発生個数を減らし、通常よりも肉厚で軸の部分が太くなる栽培方法を確立した。豊かな風味と深いうまみもあり、世界三大キノコの一つポルチーニ茸(たけ)のような形から「トヨチーニ」と名付け、17年に商標登録した。

 パッケージなどにもこだわり、口コミや交流サイト(SNS)を通じて料理人を中心に広まり、現在は主に東京、大阪、福岡などの飲食店に出荷。主役級の食材として使用されている。

 「生」は12~4月しか出荷できないため、乾燥させたトヨチーニをすりつぶしてペースト状にする調味料作りを思い付いた。昨年から試作を繰り返し、半年かけて満足できる味に仕上がった。

 「トヨチーニペースト」はプレーンとバジルの2種類。肉料理やパスタのソースとして使えば、トヨチーニの豊かな風味と、なめらかな舌触りを楽しめる。温野菜に付けるのが一押しという。

 価格は未定。4月以降、県内外の小売店や飲食店で販売する準備を進めている。

 松重さんは「『シイタケに対する概念が変わる』と言ってくれる人もいる。多くの人に試してほしい」とPRしている。

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